＊Last Rain〜Fuma.K〜＊ two 完結

44話 ページ5

え、そんな大切な一日を、
私と過ごしちゃうの？

それはさすがに、勿体無いよね。


貴「風磨、家に帰ったりした方がいいでしょ？家族に会えるしさあ」

風「別に家族といつも会ってるし」

母「風磨も、名前ちゃんと居たいわよね？」

風「おう、そーするそーする」


え、？
話が勝手に進められ、結局、
その一日を私とのデートに使うことになった。


風磨のお母さんは、
気を利かせてくれたみたいで、
病室を出ていった。

デートの内容を二人で決めろということか...？


風「あ、でも車椅子か。押してくれる人いなきゃな」

まるで、「名前やってくれるよね？」とでも言いたそうな
道端にあるダンボールに入った捨て犬のような
憎めない可愛い瞳で私を見てくる。

断れない。

断る気はもちろんないけど
もし断る気があったとしても
こんな目で見られたら絶対断れない。

貴「もちろん私が押すってば」


ぱっと表情が明るくなる風磨を見て、
可愛いなあと思い、頬が緩む。


最高の一日にしようね？

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