＊Last Rain〜Fuma.K〜＊ two 完結

43話 ページ4

コンコン

母「風磨？入るわよ？」

風「いーよー」

ガラっと上品な音を立てて入ってきた、
風磨のお母さん、里美さん。

細い体に、昔テニスをやっていたという言葉に合う少し焼けた小麦色の肌。
顔立ちは風磨とは似ていなくて、
風磨はお父さん似だとすぐ分かる。
でも、やっぱり風磨は、お母さんの面影も少しあり、
あの垂れた目は、間違いなくお母さん譲りだ。


母「あら名前ちゃん、来てたの」

貴「お邪魔してます」


風磨のお母さんの、
いつも気品あふれる丁寧な挨拶に、
ついつい固くなってしまう。

風磨とは正反対だな、


風「あ、話ってなんだったの？」

母「あのね、外出許可が降りたの！」

貴「本当ですか！？」


風磨より、風磨のお母さんよりも、
私が一番驚き、興奮してたと思う。

まあ、後から聞いたことによると、
風磨や風磨のお母さんは、
それっぽいことをなんとなく聞いてたみたいだから
そんなに驚くことじゃなかったのかも


母「ええ、最近体調がよくなってきたから、車椅子ではあるけど、一日なら平気だって。ああ、名前ちゃんのおかげよ」

貴「いえいえそんな！」

風「いやいや、本当名前のおかげだよ。」


風磨に言われると、さすがに照れる。




母「まあでも、一日だけなのよね。どうする？名前ちゃんと出かける？」

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