＊Last Rain〜Fuma.K〜＊ two 完結

65話 ページ27

彩「やめて」

動揺した戸田先輩が怯んだのを確認して
するりと腕から抜けた。

彩の腕につかまったとたん、力が抜ける。


ほっとしたのもつかのま、あやに引っ張られ、
戸田先輩の家を出る。


彩「大丈夫！？なにされた！？」

貴「きすまーく…つけられたかも」


彩はそれ以上はなにも聞かず、なにも言わず、風磨の病室の前まで送ってくれた。

彩「ばいばい」

貴「あ、あの、ごめんね？」

彩「ばーか、こういうときはありがとうっていえよー‼」

貴「うん、ありがと！」

彩「んじゃまたねー」




深呼吸をして、ドアをあける。


胸が、いつになくドキドキする。
心の中は罪悪感でいっぱいで
首筋についた跡への後悔がおしよせる。


意を決して中にはいる

貴「ふっ…………ま。

なんだ、寝てたのか」



ドキドキした心臓が、一気におさまる。

寝ててちょっとほっとしたかも。

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