56話 ページ18
それから彩は淡々と喋り出した。
彩「一昨日ね、デートだったの。まあ、その前から、そろそろ別れるなって思ってたから、最後のデートって気づいたんだけど。最近、あいつやたらと名前のこと聞いてくるの。誕生日とか、血液型とか。」
貴「え…」
彩「まあ最初のうちは、彼女の親友だからって範囲のことだから、なんも気にせず教えてた。でも、ずっと聞いてくるもんだから、気づいたの。あいつ、名前のこと好きなんだって。気づいた瞬間、あいつと付き合ってたのがバカらしく思えた。ずっと、名前のことを知りたいがために私と付き合ってたなんて。私は、利用されてただけなんだって。それで、一昨日のデート。」
貴「それで、向こうから?」
彩「うん。名前のこと好きになったから、別れたいって。そんな言い方したけど、絶対最初からそうだったんだろうね。もちろん、なんの心残りもないから、あっさり承諾したけど、あいつは悲しい顔ひとつ見せなかった。」
彩の目には涙が溜まっていた。
今にも零れそうな涙が、
彩の心の悲鳴を私に伝えている。
辛かった、苦しかった、悲しかった、と。
彩「私、名前のこと、嫌いになったの。でも、それはおかしいんだって。名前はなんも悪くない、ただあいつから好まれてるだけだって。ごめんね。ほんとごめん。」
貴「いいよ。彩、辛かったの、わかるもん。それに、私が風磨からそんなこと言われたら、彩と絶交しちゃうと思うしさ。」
彩「ごめんね」
貴「いいってば!話、終わりだよね?なんか食べに行く?」
彩「駅前の、ケーキ屋。」
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momo(プロフ) - いいところで終わっちゃったぁ!すっごく面白いです!更新楽しみにしています! (2013年7月8日 18時) (レス) id: 48bdc20ca7 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 恋空っぽいですね(*´∀`*)どっちも好きです!更新頑張ってくださーぃ (2013年4月17日 4時) (レス) id: 350ad3a828 (このIDを非表示/違反報告)
岬(プロフ) - 雨止んでよかったです(笑) (2013年4月7日 23時) (携帯から) (レス) id: b98b053b54 (このIDを非表示/違反報告)
裕南(プロフ) - 初コメです★ すごく続きが気になります!! 更新、頑張って下さい(o≧▽゜)o (2013年4月5日 22時) (レス) id: 279a4fe581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モルモット | 作成日時:2013年3月4日 20時