三月。 ページ1
＊1＊
明日、ここを皆で去る事にした。
どうせ終わるなら一緒に。そう話して潤君の出国と合わせたのだ。
翔さんは留学まで自宅に戻り、相葉さんは新店舗の二階に移動する。ここから徒歩でも行ける距離だ。
そして………。
「和君〜、他に大きな荷物あるぅ？」
「いえ、後はバッグに入るだけです。」
俺は大野さんと共に、以前伺った山里でパン屋をしている御夫婦の住居に一年間、パンの作り方を教わりながらお世話になる。
住居と言っても離れにある、ゲストルームを一年借り受けたから住まい自体は別だ。
工房を作る際、広げた敷地を利用して誰でも気軽に遊びに来れる様造ったらしいが、実際は物置小屋になっていた為遠慮無く使わせてもらう事にした。
一年間、お店の手伝いをしながら一から教わる。…と、言っても大野さんは既に自分で焼ける状態だから一から教わるのは俺なんだけどね。
多分、大野さんは工房に籠るから俺は主に奥さんの仕事を勉強する事になるだろう。
まぁ、その辺は行ってみてだよね。
手先は器用な方だから、包装作業は問題無いと思う。接客は………まだ未知数だけど。
以前程、人に対しての苦手意識は薄らいだと思っている。やっぱりまだ怖いと思う事もあるけど、一方で皆と出会って誰もが同じなんだと気付いたら気持ちが軽くなったのも確かだ。
それもこれも全部、この家があったからだ。
そしてあの日、俺をすんなり受け入れ暮らし、あまつさえこんな俺の事を本気で考えてくれる皆が居たから。
俺は今、この世にあるのだと思う。
生きる意味が分からなかった。
好きでこの世に生を受けたんじゃ無い。ってずっと思い生きてきた。なんで勝手に生んだんだよ。とさえ僻んだ事も度々あった。
好きで居る訳じゃ無いのに、死んじゃいけないなんておかしな話だと愚痴ていた。
明日何をしよう。じゃ無くて明日また息をしなきゃいけないんだって思ったら、今ここで息を止めれば終われるんだって何度も試してみた。
だけどね。生きる事さえ放棄しかけたいい加減な俺は自らの息さえ止める根性だってありはしなかった。
ただ絶望していた。何に何故になんて無かった。ただただその日に、そして明日に。
今思えば、それはただ何も見て無かっただけ。自分だけがと僻み何もしないで何も見ないで殻に篭り拒否していただけ。
だってそれが一番楽だから。
でもさ、そんな事したって何も生まれない。
更に総てが嫌いになるだけだった。
そんな時、皆と出会った。
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YUY(プロフ) - 亜希子さん» はじめまして。書き込みありがとうございます。ホントごめんなさい。ある程度は書いてあるのですが、需要と供給を考え楽屋優先になってしまった現状です。出来るだけ早くお届け出来るように頑張ります。また良かったら気軽に来て下さいね。ありがとうございました！！ (2018年10月18日 18時) (
レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
亜希子(プロフ) - はじめまして。続きが読みたいです〜(⌒0⌒)／~~ (2018年10月18日 10時) (レス) id: 7fa4b72743 (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - はるのさん» いえいえ、こちらこそお待たせしてすみませんでした。去年はね、色々あったからね。(笑)楽屋の合間に書いてく予定ですのでまた良かったら読んで貰えたら幸いです！！ (2017年5月10日 21時) (レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - YUYさん、待ってました〜(´；ω；`)再開嬉しいです。あっちもこっちも素敵なお話でありがとうございます。ご無沙汰して申し訳ありません。これからも楽しみにしています。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 6484d9474a (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - ちえさんさん» いえいえこちらこそ今まで見て頂きありがとうございました。もし良かったら、今後とも宜しくお願いします。 (2016年2月25日 21時) (レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2016年2月15日 15時
