in 楽屋裏 4

隣の行方（末ズ） ページ5

何時もの楽屋。収録を終えそれぞれ帰宅準備を始めていた。

潤「あ、ニノ今からちょっとだけ時間貰える？」

和「ん？分かった。…それじゃ、お疲れさん。バイバイねぇ。」

潤「お先。お疲れさま。…ニノ、待って！」

背を向けたまま手を振ると楽屋を出ていく二宮。その肩に然り気無く…も無く、堂々と腕を回すと、松本はペコリと頭を下げて楽屋の扉を静かに閉じる。

智翔雅「………。」

一瞬楽屋の中に緊張が走ったが、次の瞬間三人は一斉に扉の前へ。
櫻井が代表して静かに、その扉を少しだけ開くと、三人は縦になって隙間から廊下を覗いた。

寄り添う様に歩く後ろ姿。
松本の腕はいつの間にか肩から腰へと移り、引き寄せているのが後ろからでもしっかり見てとれる。
また、二宮も少し首を傾げて松本に凭れている様で、誰がどう見てもラブラブカップルにしか見えない姿を三人は口を開け見送った。

パタン

二人の背が完全に見えなくなってから静かに扉を閉める櫻井。
二人も言葉無く自らの席に戻ると、三人は同時に深い溜め息を吐き出した。

雅「なんか凄く良い雰囲気………。」

翔「マズイな。」

智「………うん。とうとう松潤が本気になったかも。」

雅「だけどさぁ、何で今頃？」

翔「色々考えられる理由はある。まず第一に以前から言っていた渋谷区の同性での結婚同等の権利。元宝塚の方が第一号として提出したらしいが、男性としてはまだ報じられていない。となればやはり早い方が良い。次に結婚適齢期問題に端を発する様々な内容からも、グループ内一人都市伝説が覆った今！この期に応じてまた変な伝説が出来る前に、事を成してしまうのは賢い方法だと思われる。
他にも

智「………まだあるの？」

うんざり机に寝そべりながら訊ねる大野。
そんな大野の様子を見ながら櫻井は「貴方が問題なんです。」と、切り出した。

智「えっ？お、俺？何で？」

翔「貴方が積極的だった頃は、やはり一応の遠慮をしていた訳だが、最近そんな雰囲気が薄まりニノの隣に隙が出来た今！！一気にその場を奪う一斉一代の大チャンス！！また、若手後輩の猛進撃が垣間見られる昨今、ボヤボヤしてられない焦りから、とうとうストイック松本も本気を出さざる負えない状況になったとも取れなくも無い。」

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