in 楽屋裏 5

やっぱり…？（磁石にのあい） ページ1

何時もの楽屋。
櫻井は新聞片手で目を通しているが、実の所内容は一切入って来ず、壁の時計をチラ見しては楽屋の扉に意識を飛ばしていた。
まだ一人やって来ていない隣の席を一瞬見れば、バチリと大野と視線がぶつかった。

智「………？」

翔(気になる。大野さんは………知らないだろうから、ここはやはり相葉君に聞いて…)

ガチャ

和「おっはよ〜ざいます〜。」

翔「！！」

慌てて振り向く櫻井。ずっと考えていた本人の登場に意味も無く顔が赤くなってしまった。

和「？どうかした？」

翔「えっ、あっいや………そっその…

雅「はよ〜！ねぇねぇ小耳に挟んだんだけど、20日に母暮見に行ったって本当？」

翔「！！！」

朝からずっと、いやその噂を耳にした時からずっと聞くべきか、聞かざるべきかを悩んでいた質問を、サラッと聞かれた櫻井。
ガッと相葉に視線を向け二度見してから、また慌てて二宮を振り返った。

雅和「………。」

和「翔さん。さっきから何です？何かはな…

翔「えっ、あ、いや…。あっどうぞどうぞ話続けて………。」

和「？？変なの。………で、うん。行った、行った。だってもしかしたらフィルム上映って世界でも最後かもしれないって言うからね。それにその日なら安く入れるんだよ、知ってた？」

ガタンッ！！

椅子からズリ落ちる櫻井。
慌てて態勢を調え新聞を逆さまに持ち、平静を装いながら咳払いを１つ。「先を続けて」と促した。

雅和「………。」

顔を見合わせる相葉二宮。しかしどう見ても普通じゃ無いが、触れられたく無いらしい櫻井の様子に二人は首を傾げながらも話を続けた。

雅「あ、あるみたいだねぇ。そう言う日。じゃあ俺も行きゃ良かったな〜。」

和「いやぁ〜相葉さんは無理なんじゃ無いかなぁ？」

雅「え〜っ。やっぱ無理？」

和「う〜ん、ちょっと無理何じゃ無い？…でもさぁ、本当映画も高くなったよねぇ〜。俺らが子供の頃………

話は続いている様だが既に櫻井の耳には届いていなかった。
逆さまになったままの新聞を読んでる振りをしながらも目は泳ぎ、微かに掴んだ手は震えている。

翔(ちちょっと待て！今の話を解説すると、ニノは安い日だと知ってその日を選んだ。
だが、その日はレディースデー。最初は知らずに行ったのかと思った所での相葉君無理発言！
つまりは、レディースデーと承知で映画館に向かった。因みに一般の方に判る格好。つまり素で行き、館の方もニノをレディース価格で入れたとなる。)

やっぱり…？続き→

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