朔。3 ページ43
汗ばんだ肌に手を滑らせ先程口付けた場所にもう一度唇を這わせる。微かに残った跡をもう一度きつく吸い上げ、俺の確かな印を深く刻み込んだ。
「………っつ！………。」
「ニノ………。」
熱い息が俺の耳へと掛かり、堪えきれずその唇に自らを重ねる。
少しカサついた唇。何時もより熱い口内。
回した腕に収まる肢体は前回よりも確実に薄くなっていて。
それが例えば運動や筋トレによるものであるなら歓迎だが、そうで無いことは周知の知ることだ。まぁ、今のスケジュールでやれるわけは無く、この暑さに加えての多忙な日々は確実にこの体に負担をかけている。
「…んん！っ、……はぁ、ダメ、だって……風邪…うつるっ………」
「良いよ、ニノのなら。」
「っつ！ん…バカっ！俺が困るの！」
「ん、大丈夫だって。俺うつんないから。」
もう、この人を困らせる事はしたくないから。過ちが許されるもので無い以上、俺が出来る事は、少なくとも今後俺の事でこの人を悲しませ無いこと。
だから大丈夫。
安心して。
信じて欲しくて、俺はまだ熱で潤んだ瞳を凝視する。あの日俺に向けてくれた真っ直ぐな瞳のように、何も飾らず、何も隠さず、ただ総てを曝け出す。
子供だった頃の俺じゃない、今の俺を見て。
まだ頼り無い所も沢山あるだろうけど、貴方を支える力位はあるから。
貴方の辛さを変わってやる事は出来ないけれど、あの頃とは違って貴方の言葉を聴くだけの強い心は持ち得ているから。
だから、
だから話して欲しい。
その胸の内。
そして出来ればこうなる前に寄りかかってくれたら。
薄い胸元に左耳を当ててみる。
何時もより少し早い鼓動が少しずつ共鳴してゆく。
俺の力強い音より半音高く細い鼓動は、とても静かに俺の胸に響き、徐々に足踏みを揃えて来るのだった。
「ニノ………好きだよ………。」
「？！っつ！！………もうっ！」
「？何？」
顔を上げ無くたって分かっている。
頬を染め、耳まで赤くした貴方の姿がそこにはあって、ほら、それを少しでも隠したくて貴方は腕で顔を隠すのだ。
くすっ
大丈夫、安心して。
貴方が嫌な事はしないから。
見てないよ。貴方が何時か自分から向けてくれるまで。俺は何時まででも待っているから。短気な俺だけど、貴方の願いなら何時までだって………。
「んっ、もう。図体ばっかりデカくなったと思ってたら…。」
「ん？」
「………態度までデカくなっちゃってさ。」
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YUY(プロフ) - 汐さん» 見て頂きありがとうございます。うん、イメージ的に真面目な子ほど、分からないんじゃないかな？って。(笑)後半も後５日ですね。待ってて頂ければ幸いです。たまには明るいの書きたくて。(笑)あの子が楽しそうなのが一番！感想ありがとうございました！！ (2015年6月12日 6時) (
レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
汐(プロフ) - ああー、翔潤の慌てっぷりもかわいいけど、大野さん相葉さんのわかっちゃうかんじもまた、愛を感じますね…！やっと来た、あの子のお誕生日、楽しく読ませていただいてます。 (2015年6月11日 23時) (レス) id: 9e1bb7f1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2014年11月25日 15時
