朔。2 ページ42
見上げていた視線は徐々に水平に変わり、デビューして間も無く、その状況も交代していたのだろう。
だけどあの頃の自分はその事に気付ける余裕も無くて、時が過ぎ５人での活動にも馴れ、ふと振り返ればこの人の視線が俺を見上げていて。
その時の真っ直ぐ見つめるこの人の瞳はとても真摯で今でも強烈に焼き付いている。
多分その時一気に総てが覆り、出会って数年、
やっとこの人と真正面から向き合い、内なる一端を知ったのだった。
一度知れば、自分はこの目で何を見ていたのだろうかと後悔し、今はとても頼もしくもある相手であると同時に、堪らなく愛おしく、あまりに不安な存在に変わっていた。
この人の生き方を見ていると、羨望を懐きつつも、無性に哀しくて、まだ熱のある熱い息とは裏腹な蒼白い肌と目の下の隈の深さに、自分の体温を与えられずにはいられなく。
「………ニノ………。」
寝ている首筋に顔を埋め、己の命を分け与えられないかと思い口付け、もし叶うのであれば最期の瞬間も共にありたいと願っている。
「………んんっ、じゅん…君？」
「あっ、ごめん！起こしちゃった………。」
「………ううん、起きてた。潤君が俺の事ずっと見てんの分かったから寝たフリして、こっそりイケメンさんを堪能してた。」
「？！…っつ！！」
「あっ照れた。可愛いっ…。」
「っつ！お前なぁ〜！！」
「はは。…はぁ………。っよいしょ…」
「おいっ！まだ寝てろっ…
「ええっ〜！もう寝るのに疲れちゃったよ。
それよりさぁ…。」
「何？」
気怠そうに体を起こすニノを手伝いながら視線を向ける。
まだ昼前だったが、閉め切った窓とカーテンにより室内は薄暗く、サイドボードの上にあるライトの明かりが室内を淡く灯っていた。
その淡い光の中で浮かぶ白い肌。しかし寝ている時に比べれば血の気が戻ったのが分かり、心の中で安堵の溜め息を吐き出す。
「………ごめんね、折角誘ってくれてたのに。もう大丈夫だからさぁ、潤君遊び行ってきなよ。お休み勿体無いし、第一誕生日にこんな事居ること無いって。」
「………。」
「ね。今からでもさぁ、誰かと………？っつ？わぁ、ちちょっと？！じゅ…ん君！！」
「俺がこうしたいの！！」
この先の言葉なんて聴きたく無いから、起こしたばかりの体を再び押し倒し、そのまま優しく抱き締める。
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YUY(プロフ) - 汐さん» 見て頂きありがとうございます。うん、イメージ的に真面目な子ほど、分からないんじゃないかな？って。(笑)後半も後５日ですね。待ってて頂ければ幸いです。たまには明るいの書きたくて。(笑)あの子が楽しそうなのが一番！感想ありがとうございました！！ (2015年6月12日 6時) (
レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
汐(プロフ) - ああー、翔潤の慌てっぷりもかわいいけど、大野さん相葉さんのわかっちゃうかんじもまた、愛を感じますね…！やっと来た、あの子のお誕生日、楽しく読ませていただいてます。 (2015年6月11日 23時) (レス) id: 9e1bb7f1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2014年11月25日 15時
