繋・想・絆。番外1（にのあい） ページ35
＊masaki＊
日にちが変わった瞬間５人でもう一度乾杯をし、三人はそれぞれ戻って行った。
「………相葉さん。」
「ん？」
「ありがとうございました。」
「どういたしまして。」
俺はただメールしただけなんだけどね。
「………。」
「………。」
この静寂は心地好い。
さっきまでの５人での空間はまたそれで好きだけど、二人だけだとまた少し違う性質になり、気が抜けていくのが分かった。
どうやらニノも同じ様でチビチビ残りのチューハイを飲みながらも瞼がトロンと落ちかけていた。
「ニノ。帰ろっか？」
「んー………。」
曖昧な返事に寝ちゃったのかな？と、持ったままのグラスを取ろうとしたが、緩慢だが手元に寄せる仕種にまだ意識は埋没してない事が分かった。
「ニノ。帰ろう。」
「………。」
そろそろここも終わりたいだろう。
トイレに行きながら支払いを済ませ戻って来ても、ニノはまだ両手で包む様にしてグラスを握り座っていた。
帰りたく無いと背中が告げている様で、小さく丸めた姿が無性に愛しく感じた。
嫌なら言ってくれれば良いのにね。
………言うわけないか。
「ニノ。」
「んん………。」
「もう直ぐタクシー来るから支度して。」
「………。」
「ニノ。」
持ったままのグラスに再び手を伸ばせば、俯いたままだが今度は素直に手を離す。
仕事帰りだから、お互い荷物はバッグひとつで。俺はニノのバッグを一緒に持ち上げれば、ニノもやっと重い腰を上げていた。
「帰ろ。」
＊kazu＊
帰りたく無いと思った。
帰らなきゃお店の人にも相葉さんにも迷惑が掛かると頭では分かっているのに、体が動いてくれなかった。
「ニノ。トイレ行って来るから支度してね。」
相葉さんが俺の頭をポンポンと叩いて支払いをしに部屋を出て行った。
帰りたくない。って言ったらどうするのだろう。相葉さんの事だから付き合ってくれるのは分かってる。
優しい人だからね。
でもそれは誰にでもしてる事。
俺が言ったからじゃ無く、きっと別の誰かが言ってもあの人は「良いよ。」と笑って応えるんだ。
「ニノ。」
いつの間にか戻っていたらしい。
頭上から相葉さんの少し掠れた声が聞こえた。
「もう直ぐタクシー来るから支度して。」
そっか、そうだよね。
帰らなきゃダメだよね。
普段は一番好きな場所でも時には帰りたく無い事もある。
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YUY(プロフ) - ちえさんさん» 難しい話だよね。本当は色々後書きがてらに書いたのですが(笑)あそこが一杯になってしまったので載せらなかったので、またその辺も話としてまとまったら載せてみますね。(笑)やっぱり考えちゃいますよね。なんかもう一本相手変えて書けるかも。(笑) (2017年1月30日 22時) (
レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。私もたまに考えます。で、５人の中で一番最初って、二宮さんかもって思ったりします。生きることにも執着しなさそうで。そんなこと、ないんでしょうけどね〜 (2017年1月30日 21時) (レス) id: 6340fc5030 (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。タイミングと翔さんが一番考えそうかな？って思って誕生日にしては重かったなぁ。(笑)でも楽しんで貰えたなら良かったです。やっぱり気になっちゃうのよね。彼等を見てるとね。またたま〜にやっちゃう系かもしれませんが見て貰えたら幸いです。 (2017年1月30日 4時) (レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
あんず - ラジオで聴いて私もちょっと気になりましたが、あらためてお話で読むと泣きそうです…！テーマは哀しいですがとても素敵なお話だったので思わずコメントしてしまいました。 (2017年1月30日 1時) (レス) id: 3862def4f9 (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - ちえさんさん» ありがとうございます！そう言って貰えるとありがたい。(笑)ね、本当最後前にふるさと歌うよね？多分。その辺りがやりきった感が出るかな？って思ってます。(笑)やれば出来る子！楽しみにしましょ！！ (2016年12月27日 12時) (レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2015年9月26日 13時
