十二月2 ページ32
大野さんの顔を見上げようとしたら、視界が塞がれて、頭を抱き締められた事に気付いた。
抱き込むその腕はとても優しくて直ぐに抜け出る事も出来たけど、俺はその胸に頭を預け大野さんの体温を感じた。
「ゆっくり、ゆっくりでいいから…。」
優しい声がくぐもって聞こえた。
「………？おおの…さん？」
微かに震えている肩口に気付き、俺が顔を上げようとしたら、抱き込む大野さんの腕が強く…
強くて………。
「ね、和君。ゆっくりでいいから。時間は一杯あるんだからね。」
貴方の愛が注ぎ込まれ、また少し俺は強くなれた気がする。
貴方の不安を取り除くにはまだまだかもしれないけど、貴方の隣を同じ速度で歩ける人間になりたいから。
一日でも早く貴方の隣に行きたい。
「大丈夫ですよ。慌ててる訳じゃ無いんです。ただやりたい事が見つかっただけですから。」
支えられるばかりじゃなく。
貴方を支えられるように。
「本当？何したい？何やりたい？何でも言って。俺が協力出来る事あれば遠慮無く言って。」
「はい。じゃあ………。」
「何何？」
「俺を見ていて下さい。」
「？」
「貴方に追い付けるまで。」
「和君？」
「そして追い付いたら………。」
まだまだ先は遠いけど。
「貴方の隣を歩かせて下さい。」
「………。」
対等な相手として。
互いに向き合える関係になりたく。
貴方のその弱さも知ることが出来たから。
俺は………。
「俺を待っていて下さい。」
「………。」
「………ダメ………ですか？」
「ううん。ううん、そうじゃ無い。そうじゃ無くてね。」
大野さんは何度も何度も大きく首を横に振ってから真っ赤に染めた顔を上げた。
「すっごい、口説き文句だよ和君。」
「！！！」
「………っふふ。ん、待ってる。って言っても俺なんて直ぐ追い越しちゃうよ、絶対。
………でもそれにはまず！ちゃんと食べてちゃんと寝る！お薬も誤魔化さないでしっかり飲む。分かった？」
「………はい………。」
「う〜ん、返事が小さいなぁ。」
「………大野さんのイジワル。」
だって１つ凄く不味いのがあるんだ。
昨日も一回こっそり抜いた事がバレたみたいで、大野さんの手にはその隠した薬の袋がいつの間にかあった。
「ん、ふふっ。じゃあ帰ろ。あんまり待たせると家中大変な状態になりそうだから。」
「はい。」
俺はそっと差し出してくれた手を掴んで、一ヶ月ちょっとお世話になっていたこの部屋からさよならした。
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YUY(プロフ) - はるのさん» いえいえ。(笑)本当年末年始は嵐さんの番組だけでも大変でしたよね。うちのサーバー壊れちゃうんじゃないかってハラハラしてました。(笑)また良かったら今年も宜しくお願いします。 (2016年1月8日 4時) (
レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - こんにちは。12月バタバタで感想書かずにごめんなさい。あ〜よかったよかったと一人納得していました(笑)あっという間の12月が終わり、もう1月ですね。今年もよろしくお願いします。わくわくの1月、楽しみにしています。 (2016年1月7日 11時) (レス) id: 4606a2649a (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - はるのさん» やっとご本人さんに近い感じの性格になりました。(笑)やっぱりね、人たらしを書きたい。(笑)今週中には十二月終わらせますので、またその後にでも覗いて見て下さい！(笑) (2015年12月9日 14時) (レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - 来た♪来た♪12月♪♪と思ってたら、あらあら素敵な流れwうんうんいい男になってくるよね、3人とも。だけど不機嫌な智父さんも面白い。今まで悲しい思いをした分、和くんに笑ってほしいですよね。意地悪がでるくらい素直になることが出来てうれしいです。 (2015年12月9日 10時) (レス) id: 8cf8fc1a3e (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - ぽんすけさん» ありがとうございます。私もまさか伝えるとは。(笑)もっと後の予定が気付いたら書いてました。(笑)お陰でこの先が不安ですが(笑)引き続き良かったらよろしくお願いします。 (2015年11月12日 22時) (レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2015年10月14日 13時
