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和「相葉さん、話があるんです。」
二宮は身体を起しながら告げた。
雅「和君っ、寝てなきゃ体に障るから。」
和「っ、どう…しても相葉さん、言わなきゃいけない事があるんです。」
雅「分かった、分かったから。話なら寝てても話せるでしょ。」
和「…ごめんなさい。相葉さん、俺。貴方にずっと言えなかった事があるんです…。」
二宮は布団の上に頭を押し付ける様にして謝った。ペラペラな布団だが、収容所の物に比べたら幾分マシな厚みであった。
和「ごめんなさいっ、ごめん…さい…。」
雅「兎に角頭をあげてっ、ね。あと寝よ。」
相葉は頭を押し付け続ける二宮の身体を起こす為両肩に手を伸ばし愕然とした。
寝間着の上からでも骨の細さが分かった。骨まで痩せるかは分からなかったが、その細さが命の灯火と並行している様に相葉には感じた。
ただ、それだけではなかった。
あの二宮が身体を震わせ泣いていた。
どんな辛い目にあっても決して涙を見せる男では無く、見た目と裏腹にこんな芯の強い男はそうはいない。そんな彼が今自分に対して頭を下げて泣いているのだ。
雅「和君。大丈夫。どんな話でもしっかり聞くから安心して。ね。」
そして相葉は櫻井の存在を知る事となる。
しかし二宮の最大の誤算は、相葉と言う男が、別の男の存在を位で二宮への愛が薄れる事はなかった。
雅「どうしてそんな事で謝るの?」
和「だってっ!俺には待っててくれてるかもしれない人?!っっ…
お互いのサカついた唇がここでの歳月を語っていた。
本当なら今の二宮にはこの口づけさえも体力を奪う事だろう。だけど相葉は止められなかった。そして二宮もまた懺悔の思いとは裏腹に己の欲求を抑えきれないでいた。
ゆっくりと二宮の身体を倒す相葉。
はっきりと浮き上がった鎖骨が寝間着の間から見え相葉は動きを止めると二宮の手が相葉の袖を掴み引き寄せた。
雅「かず…君…」
和「止め…ないで。続けて、っ…ください。」
雅「でもっ!」
和「お願い…あい
相葉は二宮からそれ以上何も聞かず最期まで彼を見守った。
数日後。二宮は相葉に見守られこの世を去った。「好き」とも「愛してる」ともその口から聞くことはなかったが、それでも二宮が最期まで相葉の事を拒まなかった事が総てであった。
そして相葉の元には1通の手紙が託されていたのである。
*
和「翔ちゃんティッシュいる?」
次回、本当のラスト。
終わらなかったぁ。ごめんっ!
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YUY(プロフ) - ちえさんさん» それに気付いた瞬間、卍は東京湾へと…。(笑)結構山田君もラブラブですよね。でも山田君相手だと翔さん諦めそうだ。(笑) (2022年7月18日 18時) (レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 風磨君、何気にボディタッチ多い気がします。ゆっちさんには口で言いながらもタッチは少なめですよね?翔ちゃん。これはひょっとするかもよ???笑 (2022年7月18日 15時) (レス) @page48 id: d7d6200281 (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - ひらっちさん» あの丸椅子に座ってユラユラ動くおもちゃが欲しい。ズラッと並ばせたい。ね、まず足を見て一回目が終わり、2回目で内容を楽しむ感じだよね。 (2022年7月6日 15時) (レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
ひらっち(プロフ) - ニノ短パン!にあたしも夏到来!を感じましたがあの丸椅子でこちょこちょ動かれると話しの内容が入ってこない…サスペンダー宮もざわついてましたね! (2022年7月6日 13時) (レス) @page46 id: 4f78027906 (このIDを非表示/違反報告)
YUY(プロフ) - ちえさんさん» 相葉さんも和君まぁ君でしたよね。(笑)そうか!つまりは翔さんだけが和呼び出来て無いのか!!(笑)名前で呼ぶと一気にラブラブ感でますよね!! (2022年6月24日 21時) (レス) @page44 id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YUY | 作成日時:2022年1月30日 9時