◇ W アイドルは恋愛禁止です！4 (ページ43)

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何度も（5）ページ43

「伊藤ちゃん、オレ、伊藤ちゃんにもAにも本当のこと言うわ」

伊藤ちゃんはニッコリ笑った。

「聞くよ」

オレはAが篭っている部屋のドアと伊藤ちゃんを正面に腹から声を出した。

「―――――――――――――！」

「ああ。オレももう思い知ったよ。礼がいてくれればそれでいいんだ。家とは縁を切るよ。礼はきっと反対しない」

伊藤ちゃんは時計を見ると、若いマネージャーを連れて玄関のドアを出た。

「A。そっち、行ってもいいか」

何度も

「顔が見たい」

何度も

「声が聞きたい」

何度も

「キスしたい」

何度も

「抱きしめたい」

何度も

「なあ。オレのこと、もう、好きじゃなかったらそう言ってくれていいよ」

天の岩戸が開くまで、祭りを続けた神さまたちは、きっと天照大神を愛してたんだろうな。
「宙よ光よ手を差し伸べよ｣
きっと、こんな時にあの人たちはその力にすがりたくなったのだろう。オレは違う。

オレが手を差し伸べるんだ。Aに。
そして、手を差し伸べてもらいたいのは、Aにだけ思うんだ。

それ以外は自分の力で切り開く。
今までそうしてきたように。