ヒモ男子取扱説明書【V】

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起きたらお昼過ぎだった。



いつもはAちゃんと同じくらいに起きて、一緒に朝ごはん食べて送り出すのに、昨日の疲れが出て来ちゃって爆睡してたみたいだ。




リビングに行くと、ラップに包まれてる朝食とその横にはメモがあった。




うーん、Aちゃんに朝から会えなかったのは失態。



会いたいなー。



昨日のアルコールの抜けきっていない体をソファに投げ出して、スマホの画面を開く。



と、そこには寝る前に連絡した子達からの返信でぎっしり。



お、やっぱり顔がいいと気に入られやすいよね。



中には今日会えないか、っていう子がいて、早速会う約束をする。




移動めんどくさいし、ここは都会だからテレビ局も近いから、あそこのホテルでいいよね。



ふんふーん、と鼻歌を歌っているとあることを思い出す。




やっば。ユンギヒョンに任された曲の歌詞もメロディーも覚えてない。




明日一日費やせばいけるでしょ！









と、思っていたけれど、その日も夜からバイトで、大事なお客さんの誕生日会でいっぱいお酒を飲まされた。



次の日は二日酔いで死にそうになりながらも、気に入ってもらった子とホテルで会ってから、家に帰るとAちゃんが帰ってくる少し前。



エナジードリンク飲んだら二日酔いはどうにかなったし、芸能人の子たちは相手すると今まで相手して来た子達の倍以上はくれるからやりがいあるなー。



とにかく、お風呂に入らなきゃ、女の匂いがプンプンするだろうから。



Aちゃんが帰って来てからは、疲れすぎてからか、あまり話を聞いていなかった気がする。なるべく相槌は打つようにしてたけど、二日酔いのせいで、頭がぼーっとしてた。



今日も夜からバイトだよね。



バイトすると、お酒入って、あの場所も非現実的なせいで、魔法にかかったみたいに体力が出てくるんだ。




「テヒョン、そいえばユンギのところには明日行くんだよね？」



「うん…」



曲覚えてないなー。



ヒョンに怒られそうだなー。



バイトが忙しかったって言えばどうにかなるかな。



「あと、最近、昼間何してるの？」



…おひる？



うーんと、なんだっけ。芸能人やモデルの子たちと会ってるよね。




「いつも通りだよ」



いつも通り、女の子と会ってる。



「…変なことに巻き込まれてない？気をつけてね？」




“気をつけて”…。


そう言えば、Aちゃんの仕事ってなんだったっけ。

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