F.P.T (6)

episode G ページ28

やっとオーダーしてた指輪が、奇跡的に昨日出来上がった。


秘密基地に行く約束してたし、渡すなら2人の思い出の場所にもなってるここかなと思ってた。

指輪を見たAは、珍しく素直で。
予想を上回るくらい可愛い反応をするから、見てるこっちまで照れ臭い。


でも一発目は、俺がはめてやりたかったけどな！


結婚指輪も、もちろんオーダー中。


早くて来月って言われてる。
もっと早くしろってのが本音。
この反応がまた見れるかもって思えば、早く作ってもらいたい。


婚約指輪も結婚指輪も、もちろんこだわってこだわってこだわった。

デザインを考えるのに、随分な時間を費やした。

ゴールドにするかプラチナにするか、女目線でピンクゴールドにするか。
むしろ攻めでシルバーにするか…まずここでだいぶん悩んだ。


一生残る物になるからな。
とびきりで、誰にも真似させないような世界でたったひとつだけのやつ。


ジ｢お前、すぐ失くしそうだな。｣

｢あたしも今それ思ってたの。大切に保管しとくね。｣

ジ｢いや、つけねぇと意味ないだろ(笑)｣


言ってる側から、そそくさと指輪をもぎ取って箱にパコンと仕舞いやがった。

絶対失くすわ(笑)




｢帰らないの？｣

車を走らせたら、帰る方向とは違う道に気付いたAからの質問。


ジ｢ちょっと寄り道。｣

｢仕事は？｣

ジ｢またあとで行く。｣


多分だけど。


ひ｢パッパッパッ〜｣

ジ｢ん〜？ひーくん、アッパーは？｣

ひ｢んぅ〜アッパァ〜｣

ジ｢お？今アッパーって言った！？｣

｢言ったね(笑)ひーくん、オンマーは？｣

ひ｢マンマンマ〜｣

｢ダメだわ。ただの気まぐれ(笑)｣


いやぁ〜アッパーかぁ…
パパもいいけど、アッパーもいいなぁ。

もっと話すようになったら、俺の事どっちで呼んでくるんだろ？

まだまだ楽しみがたくさんある。






｢…え、ここって…開いてんの？｣

ジ｢うん、昼間はカフェになったらしい。｣

｢そうだったんだ…うわ…懐かしいね。｣




Aと初めて出逢ったbar。

タッピョンから、昼間の営業の事を聞いていて、いつか連れて行こうってずっと思ってた。


秘密基地からの、ここ。

カフェのハシゴ。笑←

懐かしい場所巡りもいいだろ？





マスターと話すAを見てたら、色々懐かしくて。


ここで逢えたから
ひーくんが産まれてきてくれたんだよなぁとか。

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