F.P.T (6)

episode A ページ15

なんか、またわけの分からない事をぬかすから、電話を切ってやった。

だから、競歩並みに歩いて、タクシー乗り場へ。

さようなら〜

日本語もっともっと勉強しときゃ良かったってなればいいのよ。





で、久しぶりの実家に着いたものの…


｢お母さん〜？｣



シーン…


これで3回目くらいだけど。

…寝てる？

人の居る気配が全くしないんだけどどうゆう事よ。



あたし今日帰るって言ったよね？
飛行機乗る前もメール入れたけど、返事は無かった。


とりあえず、抱っこ紐で肩は凝るし荷物も多いし、早く中に入りたいんだけどな…


やっぱり鍵は置いて出るべきじゃなかったね。
韓国に移住する前に渡した家の鍵が、これ程恋しい日が来るなんて。




どうしようか悩んでたら

見覚えのある車。

なんだ、出掛けてた……ん？


………何で！？




お母さんが車で帰って来たけど




助手席には、見覚えありまくりな男が…








｢え、そんなメール来てないんだけど。誰か違う人に送ったんじゃない？｣


中に入って来て、何で2人が一緒なのかを聞くと、メールをあたしに送ったと言う母親。




母｢あ！Aと間違えて佐藤さんに送ってたわ！ごめんごめん(笑)｣


はい？
思わずヨン君も、変な苦笑い。


でもジヨン君、良かったね？
たまたまそこにお母さんが居て。




母｢…ふふ(笑)でもあんたひどいわね〜ジヨン君を1人置いてタクシーにそそくさと乗るなんて。ねぇ？｣

ジ｢…ズズズッ。｣


おい、お前だろ喋ったのは。
何を呑気にコーヒー啜ってんよ。

どんな風に伝えたのか知らないけど。




ジ｢ほんと、酷すぎますよねぇ〜こんな異国の地で。｣


っけ。よく言うよ。


｢嘘つけ。何回も何回も来てんじゃん。｣

ジ｢来てるけど、いつもは仕事だしマネージャーとかが居…

｢それが日本語を覚えられない理由に一理当てはまるよね。いつまでも周りに人が居てくれてると思ったら大間違…

ジ｢さいきんは べんきょうしテ…

母｢はいはいそこまで！早く行くわよ！｣



へ？どこに？？

着いたばかりなのに。




ジ｢はいっ、いきましょウ！｣




は？

サングラスをかけ直して、行く気満々なジヨン君。



どうゆう事？？

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