F.P.T (6)

episode G ページ1

今世紀最大の気持ちを出して

真剣に伝えれば



！？


珍しくAがギュッと抱き着いて来て


え！？ってなったけどそこは隠して。


ジ｢返事は？｣

｢お受けいたします(笑)｣


返事してくれたのはいいけど、さっきから笑いすぎな。

でも可愛いから、何でもいいや。



ジ｢何？笑｣

抱き着いてた腕を軽く離して、今度は俺の顔を覗き込むA。


｢どんな顔してるのかなぁって。｣

ジ｢Aの嫌いなこんな顔だけど？｣

｢嫌いまでは言った事ない。｣

ジ｢タイプじゃないって言ってたじゃん。｣

｢覚えてたんだ(笑)まぁ…生意気そうな顔はもう治んないしそれに、ひーくんは可愛いからいいの。｣



こいつ…

貶してんのか何なのかもはや不明。
しかも、そのニッコニコの笑顔で、悪気は無いって顔。



ジ｢…で？ケーキは？何て書いてんの？｣

｢あ〜…たいした事無いから、忘れて。｣


いやいや、ここまで伸ばしてそう来る？
それは無理すぎるだろ。

じゃあ…

ジ｢スンリに聞くわ。｣


携帯を手に取って、さっき撮った写メをスンリに…


｢分かった！言うから！｣


やっと観念したのか、慌てて携帯を取り上げられた。

携帯を弄ってるフリしてただけなんだけどな。









｢サランヘヨ。

…それだけ。｣



…へ？

たいした事あるじゃんかよ！


ジ｢愛してる？｣

うんうんって首を縦に振ったAは、呆れたようなバツの悪そうな顔。


ジ｢普通さ、ハッピーバースデーじゃねぇの？｣


嬉しいくせにな(笑)


｢普通じゃないほうが楽しいでしょ？｣


もちろんその通り。


生まれて初めて、全部が欲しいと思えた女は
初めから普通じゃなかった。


そんな女が、俺の事を愛してると言ってくれた。

そう想ってくれてる事自体が、奇跡に近い。



はっきりした性格なのか、素直じゃないのか分かんねぇとこも
冷たくて素っ気ないところも
言葉に刺があるとこも
時々俺の事ほんとに好きなのか？って思う事もあるけど、それ以上に俺がAの事を想ってる。





ジ｢俺も愛してる。｣



ふふって笑うAの顔に両手を添えて



優しく、唇を落とす。




Aが傍に居てくれるだけで、俺はこんなに幸せ。




どうやったらこの気持ちが伝わる…？

episode A→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す