トランジトリー【東海オンエア】

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「『胸キュン！ラインテク』、『彼に振り向いてもらえる方法』…何これ、恥ずかしすぎる」

こんなHPを見てる自分も恥ずかしくてたまらない。けど、こんなのを見るくらい、今の私には余裕がない。

恋は盲目。恋は闇。なんてことわざはいっぱいあるけど、まさにそんな状態。
動画でのコラボ以来、東海オンエア、特にとしみつくんとラインを頻繁にするようになったが、返信する言葉が迷子になる。

恋をしている、というのを認めていいのかって？

もちろん、認めたくはない。憧れのはずだったのに、なんて単純なんだろうか。一度会っただけで好きになるなんて、今までの慎重だった私はなんて言うだろう。

しかも、よりによって相手は人気YouTuberだ。
女性ファンもとんでもなく多い。

まさか私なんて相手にしてもらえるとは思ってないけど、夢を見るくらいは許してほしい。
私も、YouTuberだけど、それ以前にひとりの女だし。

「あー、恋愛経験なさすぎてわからない！」

いっそ、気持ちを伝えられたら楽なのに、互いがYouTuberという壁が大きすぎて踏み出すことができない。

ソファに寝そべってスマホ片手に思いふけっていると、メッセージの通知音で意識が引き戻された。
送り主を見ると、としみつくんの文字。

慌ててラインを開くと、来月ゆめまるの予定が合うから動画また撮ろう、とあった。

やや事務的な内容に落胆したけど、他の誰でもなく、としみつくんからというだけで嬉しくなった。

「『うん、すごく楽しみにしてるね！またよろしく』っと」

私の返信も、ありきたりなものだった。
自分から進んだ方がいいことは分かってるのにな。

そのまま画面を見つめていると、再びメッセージが送られてきた。
それを見て私は、頬の緩みを抑えることができなかった。

だって、

「また２人で買い物行こ」

なんて言うから。



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ここまで読んでいただいてありがとうございます！

書き始めて数日ですが、たくさんの方に見ていただけているようで感激しております…

余談なのですが、この小説のテーマとしては

aiko/カブトムシ

aiko/ボーイフレンド

をイメージしているところがあります。

(としみつが歌っているカブトムシ、ステキですよね…)


そんなこともふまえて楽しんでいただけたら幸いです！

これからもよろしくお願いします

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