piece342 Shade1side ページ42
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『……降谷零さんが眠り、Aさんはテレビをつけてボーっとしてます』
律のその報告により、俺含めその場にいた者達はホッと胸を撫で下ろした。
少し重い空気を和ますために、俺は明るく声を上げる。
「それにしても、Aちゃんの対応には驚いたな。てっきり防衛省に連絡来ると思ったのに」
「緊急時は自分しか信じられませんからね」
がしかし、新さんの冷たい声に俺達はビクッと肩を揺らした。
仕方ないだろう。降谷がAちゃんを襲おうとしてから、新さんと湊さんはずっと殺気を漂わせてたんだから。寮から飛び出さなかったのが不思議だよ。
「えーっと……それってどういうことです?」
「他人に渡すより自分で治療した方が確実だとどこかで思っていたんでしょう。他人に渡して失敗した時、自分がやっていればという後悔がありませんから」
『動画を撮ってと言われたのも驚きました!』
「降谷零に疑われたくないという気持ちが強く働いたんでしょう。バーボンに気を許してしまったのは、降谷零を心から拒否することができなかったから。気持ちによって実力が左右されるのは、Aがまだ殺し屋として圧倒的に未熟な証拠だ」
未熟……ね。俺からしてみれば十分化け物なんだけど。多分普通の殺し屋から見てもそう。
「気持ちに左右……。高揚した時知能が下がるのは新と一緒じゃん」
「私が取り乱したことが一度でもあると言いたいのか、湊?」
「どの口が言ってるの?」
うんうん。Aちゃんが絡むとしょっちゅうそうじゃん。なんならついさっき降谷に殺気零しながらめちゃくちゃ取り乱してたし。
「それより降谷零をどう対処するか話そう。大切な娘に手を出したんだ。このまま放っておくわけにはいかない」
「あ、賛成。何人か殺し屋呼んで、公安に目を付けられるように暴れてもらう? 降谷の仕事増やすの」
「おい辞めろ辞めろ!」
冗談に聞こえない冗談を言う2人を、Shade5が止めに入る。
この場に烏間さんいなくてよかったな……。2人っていつも烏間さんの逆鱗に触れるようなこと言うけど、実は烏間さんで遊んでるんじゃないか?
でも本当、2人はすごいAちゃんを愛してるよね。なんでこんな人たちがバラバラになっちゃったんだろう。
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9ねみ(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます!やっぱり書くのすっごく楽しいので、無理せず頑張ります! (6月28日 16時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - わぁ!久しぶりの更新すっごく嬉しいです☺️これからも頑張ってください…ただ無理はなさらずご自愛ください…!!! (6月27日 18時) (レス) @page40 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 天理さん» お久しぶりになってしまって本当に申し訳ございません。無理せず頑張ります!かならず完結させますので、ぜひ最後まで……! (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 理那さん» ありがとうございます!本当にありがとうございます!待たせてしまって本当に申し訳ございません。頑張ります……! (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 鹽(しお)さん» 何度も本当に申し訳ございません。待っていてくださるというお言葉が本当に温かいです……。必ず完結までは持っていきますので、ぜひ長い目でこれからもよろしくお願いします! (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9ねみ | 作成日時:2020年6月30日 21時