piece337--ハニトラ ページ37
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降谷さんが眠りについてから7時間程が経った。
私はお粥と薬を乗せたお盆を持ち、音を立てないよう寝室の扉をそっと開ける。自然に起きるまで待った方がいいかとも思ったが……。
「う……」
……さっきからずっと魘されている。
傷の痛みか悪夢でも見ているのか……どちらにせよ起こした方がよさそうだ。
「バーボン」
体をあまり動かさないよう軽く体を叩くが、バーボンは目を覚まさない。普段なら気配を感じた時点で……遅くとも体に触れられた時点で目を覚ますはずだ。それができなければ組織員の前で眠るなんてことするわけがない。
降谷さんの頬を軽く抓ったりするが、起きる様子はない。苦しんでいるのだから早く救うべきなのだが、自分が降谷さんに触れていると思うと何か感慨深かった。それと同時に恐れ多さも感じる。元殺し屋であることが変わらない限り、私はこの人の敵。それがちょっとだけ、苦しい……。
"例の件なんだが……。降谷零、お前に頼みたいと"
ふと降谷さんを初めて見た時のことを思い出した。
あの日降谷さんを呼んでいた人……降谷さんのことをあだ名で呼んでいた。
確か……。
「ゼロ」
「っ……！？」
ボソっと呟いた途端、降谷さんは体を起こした。
起きてた！？ わけじゃないな。でも聞かれたかもしれない。ここでこんな最悪なミスするか？
降谷さんの様子を窺うも、降谷さんは何も言わず宙を見つめている。
「ヒ、ロ……」
「バーボン？」
謎の沈黙を遮るために声を掛けたが、それと同時に降谷さんも呟いた。
ヒロ……人の名前か？ それともヒーローって言ったのか？
降谷さんは私が傍にいたことに気付いていなかったようで、驚いた顔をしている。この様子だと私がゼロと呼んだことは聞いていないだろう。
「大丈夫ですか？ 魘されていましたよ」
“ヒロ”という言葉を聞いていないフリをしていると、降谷さんは明らかにホッと息を吐いた。病み上がりな上、寝起きだから表情に力が入っていないんだろう。今なら簡単に情報を引き出せそうだ。私が組織の人間じゃなくて良かったね。
「お粥温め直してきたんですが、食べられますか？ 薬だけでも飲んでください」
「頂きます」
一言会話を交えただけで頭が冴えたのか、もう降谷さんの隙は無くなっていた。
切り替えは早い。
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9ねみ(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます！やっぱり書くのすっごく楽しいので、無理せず頑張ります！ (6月28日 16時) (
レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - わぁ！久しぶりの更新すっごく嬉しいです☺️これからも頑張ってください…ただ無理はなさらずご自愛ください…！！！ (6月27日 18時) (レス) @page40 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 天理さん» お久しぶりになってしまって本当に申し訳ございません。無理せず頑張ります！かならず完結させますので、ぜひ最後まで……！ (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 理那さん» ありがとうございます！本当にありがとうございます！待たせてしまって本当に申し訳ございません。頑張ります……！ (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 鹽（しお）さん» 何度も本当に申し訳ございません。待っていてくださるというお言葉が本当に温かいです……。必ず完結までは持っていきますので、ぜひ長い目でこれからもよろしくお願いします！ (6月27日 17時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：9ねみ | 作成日時：2020年6月30日 21時
