三代目死神が愛した＿＿。7【名探偵コナン×暗殺教室】

piece333　〃 ページ33

.




　ジンが何か喋っているのか、ベイリーズは静かになる。僕が聞き耳を立てているのに気付いているのではないかと少し不安になるが、小さいため息と共にベイリーズの声が聞こえた。
　その声は僕の知るベイリーズの中で1番冷たく、なぜだかこっちが身震いしてしまいそうな怖さがあった。


「……分かった。ジンが強引に言うなら私も強引に言わせてもらおう。私が組織に入った時のことを覚えているね？ 確か私には拒否権があったはずだが、あれは他人にも使用可能か？ ダメなら構わない。バーボンの任務を拒否したいと‘お願い’しよう。それもダメなら仕方ない。バーボンに任務は受けさせるが、私が拘束して向かわせないようにしよう。そうしたら組織はどうする？ 邪魔をした私を殺すか？」


　殺気……？ 強気とかそういうのじゃなく、はっきりとした反抗の意。
　いくらジンのお気に入りでもこれはさすがに……。いや、もしかして本当はボスのお気に入りなのか？ ジンの手下のフリをしているのはそのカモフラージュ。背後にいるのがボスだからこの強気の発言……いや待て、ベイリーズは何と言った？

“そうしたら組織はどうする？”

　なぜ‘組織は’と言ったんだ？ ‘ジンは’じゃないのか？ ジンに逆らうだけで組織全体を敵に回すわけじゃないはずだ。言い間違い……僕の気にしすぎか？


「では」


　少し考え込みすぎていると、ベイリーズは電話を終えたようだった。慌ててベッドに戻り、カメラの映像を見て待っていたフリをする。


「お待たせしました。ジンの説得できたので、任務の方は気にしないでください」
「本当ですか。ありがとうございます。ちなみに、どうやってあのジンを説得したんです？」
「バーボンを拘束するって言いました」
「拘束……」


　確かに言っていたが、その前の発言の方が気になるんだが……。組織加入時の事も持ち出していたし、ベイリーズと組織の関係が気になるな。ただのメンバーじゃない気がする。ジンかボスのお気に入りというのも違和感があるし……。
　だが今探りを入れると通話を聞いていたことがバレるかもしれない。これはまた後日だな。




.

piece334→←piece332　〃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す