三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece278　降谷side ページ28

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　風見……まさか刑事部に情報を流したんじゃないだろうな？
　刑事部と公安部でキュラソーの引き渡しや、合同で一般人の避難誘導をしたという報告は受けたが、それでも刑事部はキュラソーの名前を知る術はないはずだ。

　それ以外に考えられるのは、木村正義が組織と繋がっている線……。だがこの場合、風見が公安で組織を追っていると知った時点で殺しているだろう。
　ここで風見を捕らえるつもりでベイリーズは僕を呼んだのかとも考えたが、2人が来た途端ベイリーズは顔を背けた。来ることを知っていたなら堂々としていたはずだ。それにここは一般のバー。捕らえるつもりなら黙認してくれる裏のバーを選ぶはずだ。

　木村が組織と関係を持っている線は薄いが、念のためその線を追わなければ風見が危ない。
　もうしばらく様子を見るつもりで居座ると、ベイリーズが上目遣いをしながら服の裾を引っ張ってきた。


「ばーぼん……」


　掠れた声でゆっくりと僕のコードネームを口にする。
　ニコニコとした顔ではあるが、頬は少し紅く、目がトロンとしていて、普段以上に柔らかい顔をさせていた。
　酔ったのか？ いや、まだ1杯……2杯目か？ どっちでも酔う量じゃないだろう。


「なんです？」


　ハニトラでも仕掛けたいのか、とりあえずベイリーズに合わせてやることにした。
　ベイリーズは俯いてキュッと口を噤み、裾を掴む手に力を入れた。

　っ……。

　その行動に、僕の胸は不覚にもドクっと反応する。
　普通の女性にこれをやられても何も感じないが、ギャップ萌えとかいうやつだろう。ベイリーズの普段の姿とは別物で動揺してしまう。
　落ち着け！ 相手はベイリーズ、懐に入ってくるのがどれ程上手いかは身をもって知ってるだろう。
　ベイリーズは俯いていた顔を再び上げ、目をウルウルとさせてまた上目遣いしてきた。

　向こうがハニトラを仕掛けてくるならこっちだってやってやる。これで落ちてくれたら好都合出しな。僕はベイリーズの顔に手を伸ばし、垂れていた横髪を耳に掛ける。


「酔ってるんですか？」
「……んーん」


　甘えた声を出すベイリーズに薄く笑い、腰に手を回す。ベイリーズはコテンと頭を倒し、僕に身を委ねた。
　……慣れてるはずなんだけどな。ギャップのせいで無意識にでも驚いてるだけだろ。

　僕は少し早くなった鼓動に気付かないフリをして、ベイリーズの髪にキスを落とした。




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