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Aside
キュラソーの様子を見るとまだ息はあるようだ。
「あー、その……Aのこと追って観覧車に入ったんだけど、この人が上から落ちてくるのを見てつい……。公安に引き渡すか?」
「いや、とりあえず防衛省で引き取ろう……」
回収班……呼んだらどのくらいで来れるかな。
待機してる間に目覚ましたらどうしよう。大人しく一緒に待ってくれるのかな。あ、麻酔銃撃ち込んでれば大丈夫?
……いやいやいや、今考えるべきなのはこれじゃないでしょ。予想外すぎて頭こんがらがってるわ。
ひとまず安全な場所へ行こうと動いた時、背後の観覧車が再び大きな音を立て、周辺が地震のように揺れた。
ちょ、崩れたのか!?
よく見てみると観覧車が地面に着き転がろうとしている。
「嘘だろ!?」
木村も気付いたようで、大きな声を上げた。しかも最悪なことに、多くの人が避難しているであろう水族館の方へと転がり始めた。
待てどうする!?
さすがにこの巨体をどうにかできる方法なんか持ち合わせてない!
「ウッ……!」
木村の呻き声に振り返ると、キュラソーが目を覚まし自身の足で立っていた。殴られただけで木村もすぐに起き上がる。
一応私とキュラソーは初対面なのだが、恐らく組織内で噂されている容姿で判断したんだろう。キュラソーは私を見て目を細めた。
「ベイリーズ……?」
「組織から逃げ出したみたいだけど、 どうしたんだ?」
やっぱりこの様子だと記憶を取り戻しているな。
でもキュラソーは、公安である風見さんを抱えている私を見て何も反応しない。
「別にどうもしないわ。……観覧車が!」
キュラソーは観覧車が転がり始めているのを見て、周囲を見渡しどこかへと走り出した。
「何するの!?」
「ゴンドラに子ども達が!」
子ども達!?
全身からサッと血の気が引くのを感じる。キュラソーが知ってる子ども達といえば少年探偵団だ。いるのか、観覧車に!?
どうにかできる方法があるのか分からないが、何かできることがあるなら私も向かいたい。
「A、行け!」
でも風見さんを抱えているから無理だと思った時、木村が私から風見さんを引っ張り手を空けてくれた。
「ありがとう!」
私は木村の好意に甘えてキュラソーを追った。
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芹奈(プロフ) - ちなみに今は純黒の悪夢の所です、陰が活躍してきてて、予想が当たっていればいいなあと思いながら読んでいます!これからも更新頑張ってください! (2021年5月28日 8時) (レス) id: 6feba31318 (このIDを非表示/違反報告)
芹奈(プロフ) - コメント失礼します。面白すぎて1から6まで一気読みしてきました!そこで私の勘違いかもしれないのですが、陰の人たちってもしかして....あの人たちでは?と思ってしまいました...wたくさんの憶測を立てて読めて本当に面白いです!頑張ってください! (2021年5月28日 8時) (レス) id: 6feba31318 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» ありがとうございます! 使わせていただきました! (2020年6月30日 21時) (レス) id: 2dcc01bb7f (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 9ねみさん» いーですよ!めっちゃ嬉しいです! (2020年6月30日 21時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 夜空さん、Wikiの下り、続編のQ&Aで使ってもいいですか? (ネタがなくて続編出すのにてこずってるなんて言えない……) (2020年6月30日 20時) (レス) id: 2dcc01bb7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9ねみ | 作成日時:2020年6月5日 22時