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ジンは顔を上げようとしているのかフラフラだ。
毒を盛られたことを1番に考えたが、そんな様子ではなく、顔は赤くないが触ると熱を持っていた。
酔ってないか気に掛けながら飲んでいたのに、まったく気付かなかった。
ひとまずウォッカに電話をし、迎えを頼む。
「お酒、お強いんですね」
「えぇ。彼も強いと思っていたので何も言わなかったのですが……」
ジンも落ち着かせ、一息ついたところでバーテンダーがカウンター越しに声を掛けてきた。迎えが来るまで話し相手になってくれるらしい。さっきまでは話の内容を聞かないようにと気を遣ってくれ、離れていた。
ちなみにこのお店は裏の世界の人がよく出入りするため、さっきのような会話をしていても、不審に思われることはない。
「長年勤めているので分かりますが、この方は恐らく、貴方と張り合おうとしていたんだと思いますよ」
「張り合う?」
「貴方は彼に合わせていましたでしょう? 逆に彼は貴方より飲もうとしていたのかと。かくいう私も、彼が限界に近いとは思っておりませんでしたが……」
「貴方でも分かりませんでしたか。全く、変なところで意地を張りますね」
こんなべろんべろんになるほど酔ってるのに、なんで限界超えるまで顔に出ないんだよ。と2人して笑った。
しばらく談笑を楽しんでいると、慌てた様子でウォッカがやってきた。
「あ、兄貴……歩けやすかい……?」
ウォッカはジンの腕を自身の肩に伸ばし、支えながら歩かせた。私も手伝おうと思ったが、ウォッカ1人で大丈夫そうだ。
「お騒がせしました。お釣りは結構です」
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」
多めにお金を置いていき、先に出ていたジンとウォッカを追ってバーを出る。
すぐ近くに車を止めており、ウォッカは既にジンを車に乗せていた。
「ウォッカ、ジンの事お願いしても?」
「え、ベイリーズは乗ってかないのか?」
「早く連れ帰って休ませた方が……って待って吐く! ジン吐く!?」
「あああ兄貴!」
うつ伏せになり口元を抑えたジンを見て、私とウォッカは慌て出した。
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9ねみ(プロフ) - ゴリゴリラさん» 多分オレンジとかなんですけど、別サイトの絵では赤で描かれることもあるみたいなので赤でいいかなと……すみません、変えたほうが良ければ変えます! (2020年5月16日 15時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 凛さん» 分かりました! もう少ししたらカエデも出せるので書いてみます! (2020年5月16日 15時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリラ - あれ、カルマの目って黄色っぽくなかったっけか? 気のせいか? (2020年5月16日 15時) (レス) id: 89f5f989ea (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 9ねみさん» 恋愛的な鈍感さです。その鈍さは何処から来るんだとコナンや安室、夢主達が呆れる感じです。 (2020年5月16日 9時) (レス) id: f6fef73a07 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 水乃 夜空さん» コナン達側からしたら、盛永詩は偽名で本名までたどり着くきっかけはないから防衛省の人間だって気づけないし、夢主側からしたら、慎重すぎて少しでも相手に黒要素があると自分は白ですっていう意思表示ができないんですよ!でももうすぐ気付きます、気付かせます!笑 (2020年5月16日 6時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9ねみ | 作成日時:2020年5月6日 16時