検索窓
今日:26 hit、昨日:26 hit、合計:358,215 hit

piece123 ページ23

.




 ジンは顔を上げようとしているのかフラフラだ。
 毒を盛られたことを1番に考えたが、そんな様子ではなく、顔は赤くないが触ると熱を持っていた。
 酔ってないか気に掛けながら飲んでいたのに、まったく気付かなかった。
 ひとまずウォッカに電話をし、迎えを頼む。


「お酒、お強いんですね」
「えぇ。彼も強いと思っていたので何も言わなかったのですが……」


 ジンも落ち着かせ、一息ついたところでバーテンダーがカウンター越しに声を掛けてきた。迎えが来るまで話し相手になってくれるらしい。さっきまでは話の内容を聞かないようにと気を遣ってくれ、離れていた。
 ちなみにこのお店は裏の世界の人がよく出入りするため、さっきのような会話をしていても、不審に思われることはない。


「長年勤めているので分かりますが、この方は恐らく、貴方と張り合おうとしていたんだと思いますよ」
「張り合う?」
「貴方は彼に合わせていましたでしょう? 逆に彼は貴方より飲もうとしていたのかと。かくいう私も、彼が限界に近いとは思っておりませんでしたが……」
「貴方でも分かりませんでしたか。全く、変なところで意地を張りますね」


 こんなべろんべろんになるほど酔ってるのに、なんで限界超えるまで顔に出ないんだよ。と2人して笑った。
 しばらく談笑を楽しんでいると、慌てた様子でウォッカがやってきた。


「あ、兄貴……歩けやすかい……?」


 ウォッカはジンの腕を自身の肩に伸ばし、支えながら歩かせた。私も手伝おうと思ったが、ウォッカ1人で大丈夫そうだ。


「お騒がせしました。お釣りは結構です」
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」


 多めにお金を置いていき、先に出ていたジンとウォッカを追ってバーを出る。
 すぐ近くに車を止めており、ウォッカは既にジンを車に乗せていた。


「ウォッカ、ジンの事お願いしても?」
「え、ベイリーズは乗ってかないのか?」
「早く連れ帰って休ませた方が……って待って吐く! ジン吐く!?」
「あああ兄貴!」


 うつ伏せになり口元を抑えたジンを見て、私とウォッカは慌て出した。




.

piece124→←piece122



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (248 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
487人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

9ねみ(プロフ) - ゴリゴリラさん» 多分オレンジとかなんですけど、別サイトの絵では赤で描かれることもあるみたいなので赤でいいかなと……すみません、変えたほうが良ければ変えます! (2020年5月16日 15時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 凛さん» 分かりました! もう少ししたらカエデも出せるので書いてみます! (2020年5月16日 15時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリラ - あれ、カルマの目って黄色っぽくなかったっけか? 気のせいか? (2020年5月16日 15時) (レス) id: 89f5f989ea (このIDを非表示/違反報告)
- 9ねみさん» 恋愛的な鈍感さです。その鈍さは何処から来るんだとコナンや安室、夢主達が呆れる感じです。 (2020年5月16日 9時) (レス) id: f6fef73a07 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 水乃 夜空さん» コナン達側からしたら、盛永詩は偽名で本名までたどり着くきっかけはないから防衛省の人間だって気づけないし、夢主側からしたら、慎重すぎて少しでも相手に黒要素があると自分は白ですっていう意思表示ができないんですよ!でももうすぐ気付きます、気付かせます!笑 (2020年5月16日 6時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:9ねみ | 作成日時:2020年5月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。