piece443 ページ43
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先程の影を追って着いた場所は小さな小屋。
「取引は今夜行われるはずだったんだが、どうやら予定を変更したらしいな。身柄を確保する。……これは僕の推測でしかないが、もしかしたらターゲットはこの場で始末される可能性もある。気を付けてくれ」
「了解」
降谷さんの話を聞きながら中の様子を伺うと、私の体はギョッと固まった。
窓から見える人物の両頬には、自傷行為によりできた傷跡があった。
……え待って、あれ鷹岡じゃね!?
鷹岡はしばらく防衛省に捕まっていたけど、その後秘密裏に釈放。残っていた触手によりまた暴れたものの、渚に諭され完全に落ち着いたものだと思っていた……。またなんかやるつもりか?
椅子に座っているのか鷹岡に動く様子はない。待機しろとでも指示を出されてるのか? 殺されるとしたら狙撃……はこの立地からしてない。
「ベイリーズ」
頭を回していると降谷さんが名を呼び視線を誘導してきた。
どうやら待ち合わせ相手が来たらしい。森の陰から姿を現した男に目を向けると、私の体はスッと力が抜けた。
外人の金髪で少し髪の毛が伸びた……。
……えおじさんぬじゃね。
「行くぞ」
まさかの相手に驚いていると、降谷さんは拳銃を持ってグリップの背後へ回り、拳銃を突きつけようとした。多分、グリップを先に制圧してその後鷹岡の身柄を確保という算段だったんだろう。
しかしグリップもプロの殺し屋。その辺のゴロつきじゃない。不意を突こうとした降谷さんの拳銃を奪い取り、破壊した。
さすがの握力……全然衰えてないな。なんて思っていると、グリップと降谷さんは戦闘を始めてしまった。
止めないと。
木の陰から出て助けに行こうとしていると、同時に騒ぎに気付いた鷹岡が小屋から出てきた。
「ぬ? 今回のターゲットは貴様だったのかぬ」
「お、おま、おまえは! くそ!」
「逃がさぬ!」
「お前の相手はこの僕だ! ベイリーズ! そっちは任せたぞ!」
「あー……はい」
グリップは降谷さんの攻撃を避けながら鷹岡を追おうとするが、降谷さんに足止めをされる。
鷹岡はこちらを見ずに走ってきたため、とりあえず足を蹴って転ばせておいた。
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9ねみ(プロフ) - 千々さん» コメントありがとうございます!文章の書き方など褒めて頂いて嬉しい限りです……!ありがとうございます!のろのろ更新続いてしまっていますが、最後まで楽しんでください! (3月4日 12時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - あまりに面白くて昨日と今日で一気読みしてしまいました!文章の書き方、心情描写、展開に至るまで全てが大好きです!実を言うとコナンに関してはにわか知識しか持ち合わせていないのですがこの作品を読んで原作に興味が湧いてきました!素敵な作品ありがとうございます (2月11日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 聖奈さん» 聖奈さんありがとうございます!お待たせいたしました!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (12月29日 20時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 好きです!!!ほんっとに面白い!この小説に出会えてよかったです、最新楽しみにしてます頑張ってください(^^) (12月9日 23時) (レス) @page5 id: fdcdb1e8d6 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - ますしんさん» ますしんさん、ありがとうございます!書き方については度々悩んでしまうので、高度なんて言っていただけるなんてとんでもない励みになります……!大変嬉しいコメントを頂けたので、楽しんでいただけるよう頑張ります! (9月7日 1時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9ねみ | 作成日時:2023年8月21日 22時