三代目死神が愛した＿＿。9【名探偵コナン×暗殺教室】

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　データの移行が終わり、ついでに内容を少しだけ降谷さんに見てもらう。


「これは……」
「すべてデータを移行させたので、帰ったらにでも確認してください」


　そう言ってUSBを渡し、中だとあまり大きい声で話せないため車に乗って再び移動し始める。


「あれほどの情報を、一体どうやって？ 聞いていなかったが組織とはどういう関係だ？」
「組織とは……利害の一致で加入させてもらってます」


　ねぇやっぱそうだよね？ 味方だと主張したあの日から、別に私貴方に情報渡してないよね？ なんでそんな簡単に信じられるの？


「利害の一致……。それだけであの量のデータを持ってこれるとは思えないんだが。他に何かあるんじゃないのか？」
「ありません。今だけですよ」
「隠し事はなしだと思うが」


　あ〜そもそも今まで情報を渡す時間がなかったから、今日をその時間にあててるってことか！ なんだ、デートかもとか浮かれちゃったじゃん……。
　最初から知ってれば研究データ以外にも渡せたのに。


「実は今、組織内で私の身に危険を及ぼす可能性のある人物がいるんですよ。それを調べさせろって言って、ついでに入手してきました。ジン達が凸してきた時の翌日、やりたいことがあるって言ったでしょう？ それがこれで、ジンだけを買い出しに誘ったのは許可をもらうためだったんです」
「なるほど。……大丈夫なのか？」
「大丈夫です。貴方の正体がバレることは」
「そういうことじゃない。君の……いや、何でもない」


　何か言いかけた降谷さんだが、口を閉ざしてしまった。

　それより車は山道を走っているのだが、どこへ向かっているんだろう。
　気が付いたら私達は、木が生い茂った自然豊かな場所まで来ていた。
　窓の外を見ても木ばかり。けど多分、上の方へ行くときれいな景色が待っているんだろう。

　その予想はそう遠くない話で、突然、視界を覆っていた木が途切れ、下に広がる街並みがバッと広がった。奥には海も見え、空は晴天。


「ゎ……」


　きれい。
　これが日本。これが、私の守っている国、の一部。あそこには何千人、何万人もの人が住んでいる。
　この国だって決していいことばかりな国じゃないけれど、平和に過ごす人々を見て、なぜか心打たれる。




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