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 2人は人目に着くといけないからといい、隣のビルに移ったあとすぐに居なくなってしまった。
 隣のビルを降りていると、階段を駆け上ってくる足音が複数。


「詩さん!」
「あ、安室さん! 沖矢さんもコナン君もっ! 私がここからくることよくわか」
「なんで通話切ったんですか!」


 詩らしくヘラヘラ〜っとしていると、駆け上ってきた安室さんが肩をガシッと掴んで問い詰めてきた。その目は珍しいことに険しく、安室さんなのか降谷さんなのか、はたまたバーボンなのかわからなかった。
 沖矢さんとコナン君は私の姿を見ると、ほっと胸を撫で下ろしている。


「ご、ごめんなさい……ホッとしたらなんか、切っちゃってました。えへ」
「えへじゃないです! どんだけ心配したと……」


 ほっぺを横にみょーんと伸ばされ変顔をさせられるが、詩の姿だしまぁ好き放題やらせておこう。
 というか……もしかして降谷さん、心配してくれたのかな?


「ねぇ詩さん、結局切ったのは黄色なの?」
「ううん! 赤だよっ?」


 コナン君の問いのおかげで解放された私は、特に何も考えずに答えてしまう。
 そうすると降谷さんは固まった。え、どうした。


「赤を、切ったんですか……?」
「は、はい……。ごめんなさい、二択選んでもらっておきながら……」
「いや、いいんです。結果君は生きているんですから。むしろ良かった。僕は危うく、君を殺すところだった」


 そう言って降谷さんは力なく顔を俯かせる。
 別に気にしなくてもいいんだけどな。結果生きてるし。


「どうして赤を切ったの?」
「うーん……。なんとなく! もしかして私めちゃくちゃ運いいのでは!? ねっ!」
「はは……なんとなく、なんだ」


 うん、なんとなく、だよ。

 “……黄色だ”

 なんとなく、この言葉に殺意を感じたから。
 そしたらなんとなーく、黄色の配線が触手に見えてきちゃってさ。

 触手は対先生物質じゃないと破壊できない。だからこんなペンチじゃ切れないよ。
 なんか、助けられちゃったのかもね。
 ありがと。殺せんせー。




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Shade3=松田陣平

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9ねみ(プロフ) - 千々さん» コメントありがとうございます!文章の書き方など褒めて頂いて嬉しい限りです……!ありがとうございます!のろのろ更新続いてしまっていますが、最後まで楽しんでください! (3月4日 12時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - あまりに面白くて昨日と今日で一気読みしてしまいました!文章の書き方、心情描写、展開に至るまで全てが大好きです!実を言うとコナンに関してはにわか知識しか持ち合わせていないのですがこの作品を読んで原作に興味が湧いてきました!素敵な作品ありがとうございます (2月11日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 聖奈さん» 聖奈さんありがとうございます!お待たせいたしました!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (12月29日 20時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 好きです!!!ほんっとに面白い!この小説に出会えてよかったです、最新楽しみにしてます頑張ってください(^^) (12月9日 23時) (レス) @page5 id: fdcdb1e8d6 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - ますしんさん» ますしんさん、ありがとうございます!書き方については度々悩んでしまうので、高度なんて言っていただけるなんてとんでもない励みになります……!大変嬉しいコメントを頂けたので、楽しんでいただけるよう頑張ります! (9月7日 1時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:9ねみ | 作成日時:2023年8月21日 22時

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