三代目死神が愛した＿＿。9【名探偵コナン×暗殺教室】

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　あ、もっと深堀すると色々わかりそうかも。確証も何もない仮説止まりになるけど。

　組織にいるって言わないで逃げ込んだって言葉を選んだのはもしかして、理事長を送ってきた人物とシロを脱走させた人物は一緒だったりするのかな？
　そうすると防衛省にも律にも秘密にする理由は頷けるんだよね。バレたら責任を問われるだろうし。

　脱走させた理由は多分、シロの研究データが外部に流れていると察知して、とか。シロが逃げ助けを求めた先にあると見越し泳がせたと考えられる。
　いいやそれはないか。これだとシロは体を自由に動かせることになってしまう。

　あ、そういえば赤井さん今身動き取れないんだよね。哀ちゃんのとこ行くチャンスじゃん！ コナン君も今FBIと一緒にいるんだし。

　考えても仕方がない謎だったため、私は今のうちにしかできない情報交換をするために阿笠邸へと足を進めた。
　哀ちゃんと薬の話とかしたいけど、必ずコナン君か赤井さんが聞き耳立ててるから……。進捗とか何も聞けてなかったんだよね。

　私が仲介する必要もなかったため、哀ちゃんの連絡先は研究員に渡してある。哀ちゃんからも防衛省からも何も連絡がないということは直接連絡を取り合っているんだろう。

　阿笠邸に着いてインターホンを押すと、哀ちゃんが出迎えてくれた。阿笠さんは出掛けているらしい。
　哀ちゃんが飲み物を準備してくれている間に盗聴器を一旦外しておく。念のためだ。


「で、何か用？」
「薬の研究は順調？」
「いいえ。まだ始まってないわ」
「え？」


　あれ、私が哀ちゃんに協力を仰いだのって結構前だよね？ 防衛省の方は独自に研究を始めているから、そこに哀ちゃんが加わる感じだと思ってたんだけど……。
　何か手続きで手こずってるのかな。


「どこで研究を進めるかで揉めたのよ。防衛省の方に通うのは難しいし、こっちに来てもらうには博士にも迷惑をかけるわ。それに工藤君に見つかったら元も子もないし」
「あーなるほど」
「心配しなくてももう少しで始まるわよ。近くに研究所を準備してもらったから」
「そっか、ならいいんだ。防衛省に言いにくいことあったら私に頼ってね」


　まぁ哀ちゃんの性格からして言いにくいことなんてないと思うけど……。




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