piece415 ページ15
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「はぁ〜疲れたっ!」
「疲れたって、あんま息上がってないしどんだけ足はえーんだよ!」
「ん〜? 50走4.2だよっ? 最高速度で測った50走は3.5だったかな!」
「世界記録優に越してんじゃねぇか……。時速51キロとかほんとに人間か?」
……まぁ女故に体小さいから空気抵抗少ないし、50走全速力だから早いって言うだけで、距離が延びれば当然維持できない。
コナン君もスケボーで追いかけてきたため息は上がっておらず、乱れた服装を整えてから病院へと入った。
防衛省が手を回している病院だったのか、立ち入りが制限されている病室へと案内される。
「赤井さん……!? なんで……」
「FBIのターゲットを運んでいる途中、その人に首を絞められて事故に遭ったらしいよ。かなり重体だけど、一応さっき目は覚めたらしい。けど、もしかしたら脳への
カーテンを閉め、勝手についてきたコナン君に事情を説明する。キュラソーが力ずくで気を失わせた時に、重度の脳震盪を起こしたということは言わないでおく。このまま様子見となるが、おそらく命に別状ないはずだということらしい。
お見舞いの品として持ってきたお菓子をカゴに入れ、赤井さんの顔色を伺う。……うん、イケメン。
「安室さんの時と顔つきが全然違うね? Aさん?」
「なんだこのマセガキ。……ねぇ聞いて。降谷さんにね、その……好きって伝えた、の……」
改めて思い出し、顔が熱くなる。最後の方は声小っちゃくなっちゃったけど、コナン君聞こえたかな……? いや、恥ずかしくなってきた。聞こえてなくていい。
「え、なんて?」
「あ、よかった。ちょっと言って後悔してたから、気にしないで」
「好きって伝えたんだ」
「聞こえてんじゃんその鼓膜潰してやろうか」
八つ当たりとして頭をグリグリと撫でるが、コナン君はニヤニヤとしたまま。腹が立つ。
「それでどうなったの?」
「……よく、わかんない。私の正体は教えられてないけど、降谷さんを好きだから協力するっていう感じになった」
「じゃあ付き合ったわけじゃないんだ?」
「うん……残念ながらね」
……は? 残念ながら? 私は何言ってるんだ。付き合ってくれるなら付き合ってたってこと?
何を考えてるんだ……。そんなこと絶対あり得ないのに。
あーもう! やっぱり話すんじゃなかった!
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9ねみ(プロフ) - 千々さん» コメントありがとうございます!文章の書き方など褒めて頂いて嬉しい限りです……!ありがとうございます!のろのろ更新続いてしまっていますが、最後まで楽しんでください! (3月4日 12時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - あまりに面白くて昨日と今日で一気読みしてしまいました!文章の書き方、心情描写、展開に至るまで全てが大好きです!実を言うとコナンに関してはにわか知識しか持ち合わせていないのですがこの作品を読んで原作に興味が湧いてきました!素敵な作品ありがとうございます (2月11日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 聖奈さん» 聖奈さんありがとうございます!お待たせいたしました!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (12月29日 20時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 好きです!!!ほんっとに面白い!この小説に出会えてよかったです、最新楽しみにしてます頑張ってください(^^) (12月9日 23時) (レス) @page5 id: fdcdb1e8d6 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - ますしんさん» ますしんさん、ありがとうございます!書き方については度々悩んでしまうので、高度なんて言っていただけるなんてとんでもない励みになります……!大変嬉しいコメントを頂けたので、楽しんでいただけるよう頑張ります! (9月7日 1時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9ねみ | 作成日時:2023年8月21日 22時