piece402 〃 ページ2
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あの時彼女は……確か一瞬動揺していたかのように顔を歪めていた。それは……4年前から僕を知っていて、組織にいたことを知らなかったという発言が本当だからじゃないか？
そういえば初めて殺しの任務を同行した時、彼女はやることがあるからと言って途中別行動をとっていた。そのおかげでターゲットを保護し情報を得ることができたし、あの時不自然な言葉があったはずだ。
"ターゲットは二度と組織の前に姿を現すことはありませんね？"ジンのような言い回しのつもりかと思っていたが、よく考えればちゃんと保護できたかっていう問いかけの様にも感じられる。あの時感じた違和感はこれだったのか。
度々あった寝不足のベイリーズ。その様子が公安の部下達と似たような感覚を僕は覚えていた。ベイリーズは……僕が公安であると知っていたから、そういう姿を見せてこれたのかもしれない。
そして口にも出したが……僕が彼女に手を出した時、一度も反撃をしてこなかった。する様子も見せなかった。
それ以外にも数々の違和感……。あれら全てを考えても、彼女が完全に黒だとは見えない。それどころか白なんじゃないかという動きを見せる。
彼女は危険だ。いつでも傍にいるんじゃないかと思ってしまうほど、簡単に内側へ入ってくる。
いつでも、いつでも、いつでも。そして今も。
……あまりにも彼女が白だと言えてしまう要素が多すぎる。いや、僕になら捕まっていい等の発言を聞くに、黒は黒なのだ。
ただ、彼女の言っていることがすべて本当なら……彼女は組織の敵になりうるのかもしれない。
しかしここで彼女を少しでも味方だと判断してしまえば……。今までの努力がすべて無駄となる。
判断を間違えればすべて終わる。ここは安全に……。
「……分かった。いいだろう」
安全な選択を取ろうと思ったが、僕は彼女に向けていた鋭利を下げた。
この判断で僕だけじゃない。大勢の人が死んでしまう結果になるかもしれない。
でも……。
それでもいいと思った。
絶対に思ってはならないことだが、彼女になら……。信じて裏切られてもいいと思った。彼女なら、騙されても仕方がないと思った。
それほどまっすぐで強い眼差しをしていたんだ。
その判断になぜかホッと息を付き安心する僕がいる。なぜだ？ ホッとする場面じゃないだろう。
よく分からない感情に包まれながらも、僕は次の作戦へと移った。
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9ねみ(プロフ) - 千々さん» コメントありがとうございます！文章の書き方など褒めて頂いて嬉しい限りです……！ありがとうございます！のろのろ更新続いてしまっていますが、最後まで楽しんでください！ (3月4日 12時) (
レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - あまりに面白くて昨日と今日で一気読みしてしまいました！文章の書き方、心情描写、展開に至るまで全てが大好きです！実を言うとコナンに関してはにわか知識しか持ち合わせていないのですがこの作品を読んで原作に興味が湧いてきました！素敵な作品ありがとうございます (2月11日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 聖奈さん» 聖奈さんありがとうございます！お待たせいたしました！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (12月29日 20時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 好きです！！！ほんっとに面白い！この小説に出会えてよかったです、最新楽しみにしてます頑張ってください(^^) (12月9日 23時) (レス) @page5 id: fdcdb1e8d6 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - ますしんさん» ますしんさん、ありがとうございます！書き方については度々悩んでしまうので、高度なんて言っていただけるなんてとんでもない励みになります……！大変嬉しいコメントを頂けたので、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (9月7日 1時) (レス) id: 4b06e7d09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：9ねみ | 作成日時：2023年8月21日 22時
