三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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　ボスから言われたのは、私を幹部として受け入れ、他の幹部より優待するという事だった。
　さすがに死神としてのメリットがありすぎると思い、裏がないか探ってみたが、死神は脅威で反感を買いたくないんだそう。
　指示を受けてくれるならそれは組織として嬉しいし、でも縛りすぎて死神が組織に牙を剥いたら敵わない、とか。

　優待してくれるのはありがたいが、他の幹部から理由を探られるという可能性は十分にあったので、表向きにはジンの手下として動くことになった。要は酒屋にいたウォッカと同じ立ち位置だ。


『コードネームはベイリーズ。表向きジンの手下として動くが他の幹部より優待するという本質は変わらない。君の働き、期待しているぞ、ベイリーズ』


　最後にそう告げられ、ボスからの通話は終了した。
　優待の意味をそれとなく聞いたが、大体のお願いは聞き入れ、命令の拒否権もあるらしい。
　拒否権なんて使っても、結局その任務は他の誰かがやることになるだけだ。私が受ければ防衛省に保護することもできるし、組織からの信頼を得るためにも使うことはほとんどないだろう。


「ベイリーズ、か」
「よろしく頼みますね、兄貴？」
「ジンでいい。……今更だが、お前日本人か？」
「生みの親のことは知らないんだ」
「そりゃあ悪いことを聞いたな。流暢な日本語を喋るなと思っただけだ。希望活動場所は？」
「世界各国どこへでも」
「なら日本の東京に拠点を置け。俺の主な活動場所は日本だ」
「了解」


　日本に拠点、か。
　海外での潜入生活を覚悟していたので、日本でできるのは嬉しいが、日本に極悪組織が拠点を置いているというのは腹立たしいな。

　とりあえずウォッカをずっと待たせているので酒屋に戻った。


「コイツはベイリーズだ。さっき組織に入った」
「さっきですかい！？」
「よろしくお願いしますね、ウォッカ」
「は、はぁ」


　うん、キョトンとしてるウォッカかわいい。
　その後連絡先を交換し、ジンとウォッカはホテルへ。私は仮宿に帰った。

　仮宿に戻り、鏡越しに自分を見る。
　口は左右対称に弧を描いていた。
　師匠も兄弟子も、死神の時はいつもこんな顔をしていた。

　兄弟子は怒るかな？ 日本を守るために死神の名を名乗るなって。
　……でもごめんね。私は、日本が大好きなんだ。

　使えるものは使わせてもらうよ。




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