三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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　私の腕を掴もうとしていたのか、ジンの手は空を切り、気付かぬ内に横に立たれたことに驚いたのだろう。目を見開いていた。そしてフッと笑う。


「技術(スキル)は誰にも教えなくていい。死神、テメェが組織に欲しい。組織には死神の名を隠して入ればいい。最終的に殺していればこちらとしては文句はねぇからな。
　納得のいく殺しができた時は死神として、納得のいかない殺しだったなら組織員として殺したことにしろ。そうすりゃ低レベルな殺しばかりだと死神の名に傷が付くことはねぇ。
　名を受け継ぐにはまだ力不足だと言ったな。組織に入るか独立したままか……どちらの方が力を身に着けられるか考えてみろ」


　……うん。名前を伏せてでの加入であれば、ジン以外に私が死神だと知られることはない。
　そして殺しがうまくいったら死神名義、失敗したら組織名義……つまり殺しの練習ができ、力を身に着けることができるということだ。
　力不足で練習の機会が少ない死神にとっては十分なメリットだろう。実に合理的な誘い方。


「確かにそれはいい話ですが……死神がどこかに所属するのはなんだか気が引けますね……。前死神達は立派に独立していましたので」


　どこのグループにも所属せず、単独で生き延びるということはそれだけの力があるという事。
　逆を言えばどこかに所属してしまうと、単独で生き抜く力がなかったという風にも捉えられてしまう。すべてのケースがそうだという意味ではないが。


「だから言ってるだろう。死神の名を隠して入ればいい。でもあの方……組織のボスにだけは話す」
「仮に入るとして、下っ端は嫌なんですが」
「俺の紹介とテメェのその実力があれば幹部なんかすぐだろう。グズグズ言ってねぇで入るのか入らないのか決めろ」


　ジンの警戒心も解けてるし、そろそろいいか。

　私は少しの間目を瞑り、考えるフリをする。
　そしてゆっくり目を開けてジンをしっかり見た。覚悟を決めたという目で。


「じゃあ、お願いします」


　ジンはその返事を聞いて、その場でボスであるあの方に連絡を取りだした。
　今かよ。予想外過ぎてちょっと動揺してしまったんだが。

　しばらくすると、電話を代われとでも言われたんだろう。携帯を渡してきた。
　ボスの声は変声期を使っているらしく、素の声は聞くことができなかった。
　まぁこんな初っ端から会話をすることができるならいいか。




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