三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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「話すべきことは話しましたし、そろそろ戻りましょうか」


　酒屋の方へ歩き出そうとすると、ジンは再び口を開いた。
　まだ聞きたいことがあるらしい。


「なぜ会ったばかりの俺に三代目死神だということを明かした？ その話が本当だとは思ってねぇが、殺した現場を見た俺に、普通は死神であることを隠すだろう。あの死神が普通の殺しをしているなんて、それこそ名前に泥を塗ってるんじゃねぇか？」


　三代目死神である証拠を見せろとか言われるかと思ったけど、なんだ。そんなことか。


「こちらが話すばかりで貴方から得られるものがない。ということで、普段なら話さないところですが、勘違いされているようなので話しましょう。ジン、それは間違っています。
　今回は依頼人からの希望でしたが、私達死神は普通の殺しも数多くしてきました。‘死神＝痕跡を残さない’ではありません。ですが貴方のように、世間ではそう思っている人も多数います。だから私はレベルの高い殺しを、成功率重視のため低頻度で行っているのです。
　普通の殺しばかりしていては名を汚すことになりかねますが、数回程度で名が汚れることはありません。完璧を求めるならばその数回も許されませんが……。力不足なのに名を受け継いだ時点で、完璧は求められません」


　いずれは完璧にこなしてみせますが。
　口には出さず、そういう気持ちを込めてジンを鋭く見返す。完璧になれたら、普通の殺しを目撃したお前を殺すぞと、軽く脅す様に。
　ジンはそれを鼻で笑い飛ばす。
　殺れるものなら殺ってみろってか。殺るんじゃなくて捕まえるんだけどね。


「代替わりしていることを話したのはなぜだ？」
「貴方が只者ではないと思ったからですよ。素性を明かし、私に害があるかどうかを判断したかった。要は名前で牽制したつもりなんです。貴方が情報を漏らしそうな方であれば今殺すつもりでした。情報漏洩に厳しそうな組織に所属しているなら、そんな心配は必要なさそうですがね」


　資料通り、ジンは疑い深い。
　代替わりしたことは別に話す必要などなかった。でもそれを話したのはなぜか。組織に入るためじゃないのか。そういう疑問がジンの中にあったんだろう。そしてなぜ組織に入りたがるのか。NOCだから。という考えもすぐに出てくる。
　作戦通り行っているようで、数ミリ足を踏み間違えれば終わりだ。
　でもこのギリギリを完璧に対処できれば、それだけ信頼は厚くなる。




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