piece44 ページ44
.
「ゼロ！ あ、悪い」
ゼロって警察庁警備局警備企画課の俗称……？ もしかして、あの人がそう？
ドアが開かれるのと同時に通話は終え、私は見ていたのがバレないよう目を逸らす。
「なんだ？」
「例の件なんだが……。降谷零、お前に頼みたいと」
「そうか、分かった」
降谷零……。れい……ゼロってあだ名か。
でもそうか、公安警察か！ カッコいいな〜。私もすぐ公安に……。
「なぁゼロ。お前今いくつ掛け持ちしてんだ？ 組織と例の案件とさっきの電話。他にも事後処理とかあるだろ。さすがにやりすぎじゃ……」
「この程度どうってことない。日本を守るためにしてることだ」
「お前はすごいな……。俺なんか、任務だと分かってても……」
「……僕達は命に代えてでもこの国を守らなければならない。……1人の人間に目を向けている時間は、僕達にはないんだ」
カッコいい……な。すごい……。
「A？ どうした？」
「あ……いや」
「ちょっと座ってろ。体めっちゃ震えてんじゃんか」
木村は私の体の震えようを見て、肩をグッと押し、廊下の端で座らされた。
私自身も、木村に言われて初めて自分が震えていることに気付く。
なん、だこれ。体……言うこと聞かない。
“日本を守るためにしてることだ”
降谷さんが言っていた言葉が頭に響く。
“僕達は命に代えてでもこの国を守らなければならない”
目……チカチカする。
ギュッと目を瞑ると、脳裏に今まで殺してきた人達の顔が一気に押し寄せてきた。
頭がガンガンする……！
「ぉぃ……！ A……！ 殺崎Aっ！」
「っ！ ……き、むら……？」
「大丈夫か？ 教官、もう少し時間かかるみたいだから休憩室貸してくれるって。立てるか？」
どのくらいの時間蹲っていたのかは分からないが、木村の後ろには警察庁にいた警察官が心配の目を向けていた。
先程の部屋をチラッと見たが、降谷さんともう1人の警察官はもういなくなっている。
ここに座り込んでいても邪魔だと思うので、木村の肩を借り、心配してくれた警察官の案内で休憩室にやってきた。
「それじゃあ、君らの教官にはこっちから話しておくから、ゆっくりして」
「ありがとうございます！」
「あり、がとうございます……」
扉が閉まり、私は崩れるように椅子に腰掛けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 801人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
9ねみ(プロフ) - 桜坂小月夜さん» ご指摘ありがとうございます！東都（米花町）の位置づけに関しては曖昧なので「東京＝東都」ではなく、「東京都東都市（東京の中に東都がある）」という解釈で書きました。東都でも東京でも物語に支障はないので桜坂小月夜さんの解釈で脳内変換して頂ければと思います (2020年6月7日 12時) (
レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
桜坂小月夜(プロフ) - １０話の東京ってところは多分東都だと思います。細かくでごめんなさい (2020年6月7日 10時) (レス) id: 5a89b02b98 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - リャオトンさん» んー、特に考えてなくてノリで書いてる部分もあるんですけど……。とりあえず日本とE組大好きです！笑 あとはー、盛永詩の少し大人しめバージョンな感じで書くようにしてます。堅苦し過ぎずふざけ過ぎずな感じの……。わかりずらくてすみません！ (2020年4月27日 12時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - 質問ですが、夢主ちゃんの素の性格はどんな感じですか？忙しければ答えなくて、いいです！すいません！ (2020年4月26日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - リャオトンさん» えええええマジですか、最近の小学生すごい……。私は砂糖入れても飲めないです……笑 (2020年4月26日 7時) (レス) id: 248753478e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：9ねみ | 作成日時：2020年4月16日 11時
