三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

piece39　バーボンside ページ39

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　手当たり次第USBを探したが見つからず、一度戻るように言われた。
　駐車場に出るとベルモットと合流する。そのまま一緒に車まで歩いた。


「やっぱりベイリーズを来させるんじゃなかったわ」
「すぐに抜け出せていたようですし、大丈夫ですよ。まぁあの時は焦りましたが……」


　インカムで姿は見られていないと言っていたから、常務にハニトラは仕掛けなかったんだろう。それに、会場に入る前のあの体の震えよう……。ベルモットの言うように口だけなんだろう。
　戻る指示が出た時は普通に返事をしていたから、無事なのは分かっている。

　車まで戻ってきたが、ベイリーズはまだいないようだった。
　乗り込もうとした時、後ろからベイリーズが近付いてくることに気が付き、振り返ると、彼女は車を通りすぎ走っていく。


「ベイリーズ？」
「待て」


　ベイリーズの後を追おうとするベルモットをジンが止め、僕たちは彼女の動向を見守った。否、見守るしかできなかった。

　走って行った先には帽子を被っている女性と、主要人物である常務が立っている。
　ベイリーズは常務の足を払い、女性の後ろへと回り込んだ。
　その動きは素早く、僕達はただ見ていることしかできなかった。

　ベルモットは目を見開いて驚き、ジンは笑っている。
　口だけじゃ……なかったのか……？


「おい、車に戻れ」


　驚きで体が動かずにいたが、1人冷静だったジンの声で我に返り、僕とベルモットは後部座席に座った。
　車に乗り込んで数秒後、扉が開く。ベイリーズが静かに乗り込んできた。

　いつの間に！？ 扉が開くまでそこにいることすら気付かなかった……。


「USBありました。中身違うかもしれないので確認お願いします」


　ジンは受け取ったUSBをパソコンに差し込み、データの確認をしている。

　僕とベルモットはベイリーズに何と声を掛ければいいか迷っていた。
　だって、ついさっきまで口だけで行動には移せないと思っていたから。僕らが守りサポートしなければならないと思っていたから。

　まさか、あんな華麗な動きをするとは思わないじゃないか。




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