三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

piece33　コナンside ページ33

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　今日、俺達少年探偵団は博士と昴さんに連れられ、最近人気のあるパン屋に来ていた。
　店員である盛永さんは、元気でいかにも人気のありそうな店員だった。ポアロで言う安室さんのような感じ。

　そんな彼女に昴さんは近寄り、意味ありげな質問を投げかけていた。
　帰り際、わざと足を引っ掛けてまで連絡先を交換しようとしていて、これは絶対何かあると思い、俺も便乗して連絡先を貰った。

　買ったパンを近くの公園で食べている間、昴さんが自販機で飲み物を買いに行くと言い出したので、俺もそれについて行く。


「ねぇ昴さん。盛永詩さんって、何かあるの？」
「……以前会った時、タバコの匂いがしたんだ。ジンが良く吸っているのと同じタバコのな」


　ジン。
　その単語を聞いて、俺の胸はドクンと跳ねた。
　あの女性が組織と関係あるかもしれないってことか？ とてもそうには思えなかったけど……。


「でも、同じタバコを吸う人は結構いるし、偶然かもしれないよ？」
「血の匂いがしたと言ったら？ それに彼女が出歩いていたのは深夜の2時。買い物帰りにしては遅すぎるし、酒の匂いはしなかった。一体どこで何をしていたんだろうな」


　昴さんは赤井さんの口調で話し、俺を見た。
　同じタバコを吸っている人は他にもいるだろうが、血の匂いがしたというなら別だ。
　組織が関係している可能性は十分にある。


「もし組織の人間だとして、幹部……かな？」
「幹部じゃなくとも、ジンとベルモットとは関りがありそうだな」
「ジンは分かるけど、どうしてベルモット？」
「あの荷物、ブランド品ばかりだった。恐らく買い物相手はベルモットだったりしたんだろう。あの量であればかなり値は張るし、ベルモットが買い与えたのかもしれんな」
「もしそうなら盛永さんはベルモットに気に入られている……」


　思わぬ場所から組織に繋がる糸口が掴めた。
　幸い連絡先は交換したし、今後ゆっくり探ることができるだろう。俺達の事が悟られないよう慎重に……。


「警戒対象、だね」
「えぇ。では戻りましょうか、コナン君」


　これ以上長話をすると子ども達が騒ぎ出してしまうので、会話もそこそこに公園へと戻った。
　後で灰原に、あの店員に感じることはなかったかと聞いたが、特に何も思わなかったそう。




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