三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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「いらっしゃいませ！」
「詩ちゃんこんにちは〜。今日のおすすめは？」
「今日はねー、このパンとかいかがですかっ？ ここだけの話、実は私が作ったんです！」

　後半、少し声を小さくして言うと、男性客は嬉しそうにニコニコ笑う。

「じゃあそれ頂戴！ 50個！」
「俺も！」
「もぉ〜そんなないってば！」


　はい、今日も今日とてアルバイトをしております！
　最近は、SNSでお店のアカウントを作らせてもらい、チラシなどの宣伝を頑張ったおかげか、N Bakery(エヌ ベイカリー)は繁盛している。ちなみにNは、経営している夫婦の苗字が野々原さんなので、頭文字でNにしたんだそう。
　お孫さんの影響か、野々じいと野々ばあと呼ばれるのが嬉しいらしく、私もそう呼ばせてもらっている。


「ありがとうございました！」
「また来るね〜」


　常連さんも増え、学校から遠いだろうが学生などの若者も足を運んでくれるようになり、野々村夫婦は喜んでいる。
　ピークが過ぎ落ち着きを取り戻したと思ったら、団体さんが入店してきた。


「いらっしゃいませ！」


　子ども5人に大人2人だ。大人の方にはこの前会った糸目の男性がいる。偶然か？ 何者？
　試食用のパンの欠片をトレーに用意し、まずはしゃがんで子ども達と目線を合わせる。


「うっまそうな匂い〜！」
「こんにちは。皆アレルギーとかあるかな？」
「ないです！」
「じゃあパンの試食はいかがですか〜」
「いいの！？ やったぁ！」


　先に元気な子ども3人に渡し、次に大人しい子ども2人に渡す。立ち上がって大人2人にも渡し、糸目の男性をチラっと見る。……目が合ってるのかも分からないんだが！

　向こうも覚えていそうなら声を掛けようと思ったのだが、なかなか表情が読めないので、もう知らないフリをしようと思った。


「この間振りですね。覚えてますか？」
「あっそちらも覚えてたんですね！ 声掛けようか迷っちゃいました」


　覚えてるんかい！
　私はえへへ〜と言いながら対応し、店内を自由に見て回れるようレジの方へ引っ込む。
　子ども達は店内を回り、連れの老人の方にパンを取ってもらっている。

　元気いいな〜。
　カウンターから子供たちの様子を眺めていると、糸目の男性が近付いてきた。
　また警戒してる。この集団はグルなのか？




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