三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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　解体を終えた後シャワーを借り、これから盛永名義の家に帰るため、盛永詩の変装もする。
　ジンは家まで送ってくれようとしたが断った。初めは強引にでも乗せられるかと思ったが、案外素直に聞いてくれ、徒歩で帰れる場所で降ろしてもらう。

　買い物をしていたということもあり、荷物は両手いっぱい。おまけに今は深夜。酔っ払いが絡んできたら少し面倒だ。帽子被ろうかな……。
　車1台通れる路地を歩いていると、前方から車がやってきた。路地が狭いため、安全に通れるよう車はスピードを緩めてくれる。
　車が通り過ぎたと思ったら、バタンとドアを閉める音が聞こえた。
　この近辺の住民か？ それとも……私に用？


「すみません」


　無視したかったが、声を掛けられてしまったので振り返る。今は盛永詩の恰好だ。元気良く返さねば。


「はいっ！？ どうかしましたか？」
「いえ、荷物たくさんあるようでしたので手伝おうかなと思いまして。夜遅いですし」


　糸目の眼鏡男性。高身長だが威圧感はない。特に悪い感じはしないし、善意で声を掛けて来たのか？
　……いや、声を掛けてきたのは向こうなのに、なぜか私を警戒している。何かあるな。


「あー、すみません！ ありがとうございます。でももうすぐそこなので大丈夫ですよ！」
「……そうですか。近くと言っても、気を付けてくださいね。最近は物騒ですから」
「はい！ そちらもお気を付けてくださいね！」


　男性は車の方に戻って行ったので、私も家の方へと歩き出した。
　今どうこうするつもりはないってことか。

◇
　夜、帰り道。家の方へと車を走らせていると、前方に大荷物を抱えた女性が歩いているのが見えた。
　随分と遅い時間に帰るんだなと思ったが、特に気にすることなく少しスピードを落として通り過ぎる。
　その時、開けていた窓から懐かしい匂いがした。
　落としきれていない血の匂いと、ジンのタバコと同じ銘柄の匂い。

　気のせいか？ いや、確認しないわけにはいかない。

　俺はすぐに車を止め、心配しているフリをして声を掛けた。彼女の周辺からはやはり、血の匂いとタバコの匂いがする。
　少し強引にでも家へと送ろうと思ったが、彼女は俺を警戒していたため引き下がることにした。深夜に男の……ましてや初対面の人の車に乗るのは普通に危険だし、警戒していたのは不自然じゃない。

　工藤邸からそう遠くないし、本当にこの辺に住んでいるならまた会えるだろう。




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