三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

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　扉を開いたのは予想通りジンだった。怒ってるのが分かる。
　それでも冷静に、動揺していることを悟られないよう口元の弧は崩さない。


「すみません、さっきのパスワードは間違いだそうで。こっちが正しいと」


　メモした紙を渡すと、その場でジンは電話を掛け始めた。
　まずいな。これどうにかできるか……？

　指示を出し終え、特に問題がなかったようで携帯をしまい、次に拳銃を取り出し男に向けた。
　先程最後にやりたいことをやらせてやると希望を抱かせてしまったので、目が絶望の色に染まっていくのが見えた。


「ジン、ミスしただけだろう」
「ミスだとしても嘘をついたのには変わりねぇ」


　頭に血上ってる……いや、冷徹なジンならばこれが通常か？ ともかくこれじゃあ止める程私の立場が危うくなる。
　でもここで諦めたらこの人は……。
　この男も一応犯罪者だ。でも同じ人間。今まで何人も殺してきた私が言うのもおかしいが、見殺しにするわけにはいかない！


「それなら銃を向ける相手を間違えていると思うが？ ミスをしたのは私だ。正しい情報を吐かせることができなかった私に責任がある。違うか？ 組織からの罰も受けるが、私のミスは私に片付けさせてくれ」


　それを聞いたジンは私を睨むと、本当に拳銃を向けてきた。いつ撃たれても避けられるように、トリガーはよく見ておく。


「その発言、コイツを庇ってるようにしか聞こえねぇな。大体、始末するのに何分掛けてやがるんだ」
「新しい殺し技を試そうと思っていただけだ。見られたくなかったから交渉するつもりで待ってたけど、冷静になったコイツが別のパスワードを教えてしまったと言い出した」
「それはまた今度にするんだな。今この場で殺せ」


　ダメか……。ジンからしてみれば、私とこの男に何かあると思われてもおかしくはない。
　殺せば恐らくジンからの疑いは晴れる。殺さなければ……最悪NOCだとバレる。


「まっ……そんな、待ってくれ！」


　私は懐から拳銃を取り出し男に向けた。

　ごめんなさい……。

　私は表情を変えることもなく、いつもの笑顔で拳銃を発砲した。




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