三代目死神が愛した＿＿。【名探偵コナン×暗殺教室】

Piece1‐‐生い立ち ページ1

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「……殺崎(ころさき)Aさん、君をスカウトしに来た」
「スカウト……？」
「そうだ。それとも、依頼した方が良いか？」
「……いいえ、スカウトで」


　私は力なく笑い、烏間先生の手を取った。
　警察になる道を諦め、烏間先生の部下として防衛省に就くことになった私の生い立ちは、一般的ではない。

◇
　私は貧困なスラム街に産まれ、2人の死神に拾われた。これは聞いた話になるが、初代死神に殺されそうなところを二代目死神が止め、共に生活するに至ったとか。物心がついた頃には二代目死神と共に殺しを教わっていた。
　名も無き私達は初代死神を師匠、二代目死神を兄弟子、私を妹弟子と呼び合った。

　3人で生活し十数年。

　ある時兄弟子は師匠を裏切り、師匠は日本へと連れて行かれた。私はそれを境に2人の元から離れ自立し、1人で暗殺稼業を行うようになった。
　そんなある日、日本から暗殺依頼が舞い込んでくる。ターゲットは月を破壊した超生物だった。
　場所が日本で、詳細の掴めなくなった師匠の情報が何か入るかもしれないという微かな希望から、私はそれを受けることにし、年齢も近そうなことから、生徒として椚ヶ丘中学校に転入した。

　1年弱の期間でたくさんのことがあった。毎日が濃かった。すべて覚えていたいほどに楽しかった。
　結果、その超生物は師匠であり、暗殺任務は無事成功に終わった。それまでの過程で兄弟子は師匠の手によって殺された……。
　殺し屋だった私は、初めてできた友人達と肩を並べたくて、暗殺教室の卒業と同時に殺し屋を引退した。

◇
　そんな私の将来の夢、進路は警察になることだった。
　防衛省であり教官であり副担任であった烏間先生の計らいで、国籍等を作成してもらい、私は日本人として過ごしていくことになる。

　ちなみに、椚ヶ丘に来た当時名前はなく、クラスに打ち解けた時にAという名前を皆につけてもらった。殺せんせーの……超生物の正体が師匠であると判明し、殺せんせーの殺を取り、崎は語呂がいいからという理由で殺崎という苗字になった。


　高校、大学を卒業し、警察学校へ入校。
　全てにおいて主席を取り、卒業を目前にしていた私は＿＿




　警察学校を辞めた。


　そして冒頭に至る。




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※二代目の初代死神の呼び方、原作とは変えています。
　原作では「師匠」ではなく「先生」です

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