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4月16日、月曜日。
大学の裏庭に呼び出された私は、大きく聳え立つ桜の木の下で彼を待っていた。
晴天。雲一つ無かったあの日。
微風が吹き、読んでいた本のページがパラパラ捲られる音を聞きながら、
その瞬間を楽しんでいた。
待ち合わせ時間ぴったりに、彼はその場に現れた。
「ごめん、Aさん。待った?」
ううん、全然待っていないです、その気持ちを込めて首を横に振る。
「良かった。あっ突然呼び出しちゃってごめん。」
「大丈夫ですよ。」
「優しいね。同い年だと思うし、タメで。」
「分かった。」
言葉で会話をする、
国語が大好きで将来の夢は作家の私が、言葉を話せる事は凄いことなんだな、
と実感したのは、改めて振り返るとあの日が初めてだったかもしれない。
一瞬にして仲良くなるきっかけを作る言葉というものは、なんと素敵なのだろう。
そんな事を思った私は、ふふっ、と笑みを漏らした。
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作者名:歌星 | 作成日時:2022年6月3日 16時