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あれからテヒョンとジミンとは、同じ1年生ということもあり、よく話すようになった。呼び方も、くん付けは嫌だって言うから呼び捨てで呼ぶようになった。やたらと絡んでくるし、人懐っこい2人と仲良くなるのに時間はかからなかった。
ホソクさんは学年が違うから会うことは少ないけど、たまに見かけると手を振ってくれる。ホソクさんはナムジュンさんと一緒にいることが多くて、ホソクさんが私に手を振る度に、ナムジュンさんが不思議そうな顔をしてホソクさんを見ているのが何だか面白い。
「ねぇA〜!課題ノート見せて?」
肩を組みながら絡んでくるテヒョン。仲良くなってから気付いたけど、この人、ちょっと人との距離感がバグってると思う。ほら、ただでさえ目立つのに肩なんか組むから注目の的じゃん。勘弁してよ。
「ちょ、離れてよ。ウザいんだけど。」
どれだけの女子があなたのこと好きだと思ってるの?私がどれだけの女子に恨まれると思ってるの?
「テヒョンのそれは仲良い証拠だから大丈夫!ちなみに僕にもノート見せて!」
全然大丈夫じゃないよ!?
ってかジミンもジミンだよ!やらたとニコニコしちゃって!自分達が人気者だって自覚を持って欲しいんだけど!
「あ!ホビヒョン〜!」
ジミンが窓の外に向かって手を振っていて、釣られるように視線を向ける。ホソクさんもジミンの声でこちらに気付いたようで手を振り返していた。
めっちゃ笑ってる。かわいい。
白のオーバーシャツ、かわいい。
どさくさに紛れて私も控えめに手を振ってみる。今までホソクさんが手を振ってくれても、何となく会釈しか返せてなかったから、私なりに勇気を出してみたんだけど。ホソクさんは嬉しそうに笑って指でハートを作ってくれた。サービス精神旺盛すぎて、その破壊力ったら、もうね。
ホソクさんは一緒にいたお友達に呼ばれたみたいですぐに行ってしまったけど、なかなかお目にかかれない分、少しでも会えるとちょっと運が良いような気がしてくる。
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作者名:umbrella | 作成日時:2024年3月5日 18時