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「A、帰るよ。」
突然腕を持ち上げられ、驚いて顔を上げる。私の腕を掴むホソクがいた。力が入らなくてされるがままの腕。ポカンとする私を他所に、ホソクは反対の手で私の荷物を持つ。
「え?え?」と、私とホソクの顔を交互に見る男。私も内心、え?え?と戸惑いながらもホソクに促されるまま立ち上がる。足には力が入るみたいで意外と普通に歩けた。そのままホソクに手を引かれながらお店を出た。
「、、、なんでお酒飲んだの?」
「わ、わかんない。気付いたらお酒だった。」
それだけ聞くとホソクは黙り込んでしまった。明らかに怒ってる。いつもの明るい笑顔は微塵もなくて、眉間に皺が寄ってる。フワフワする頭で必死に今の状況を追いかけるけど、なんでこうなってるのか全く分からない。ホソクに手を引かれるまま着いていくしかなかった。
お互い無言のままホソクの家に着いた。風景に見覚えがあったから、ホソクの家に向かっている事は気付いてたけど、実際に目の前まで来ると不安でいっぱいになった。
このまま2人きりで何を話せばいいの?
ホソクの考えてる事が分からなくて怖い。
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作者名:umbrella | 作成日時:2024年3月5日 18時