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前の出番の人たちが舞台から捌けてBGMが止まると、次はいよいよ私たちの出番。新たなBGMと共に舞台に出た。

本番中は意外と冷静だった。ここでターンして、ここで振り返る、と頭の中で順番を追いながら練習通りに出来たと思う。あとはランウェイっぽいところを歩くだけ。

ホソクと向き合ってお辞儀をする。黒のジャケットを着たホソクが格好良すぎて。王子様のお辞儀っていうの?それが様になりすぎてて本当の王子様みたいだった。

ホソクのエスコートで腕を組んで歩く。まるで自分が本当にお姫様になったみたいで照れくさい。

ランウェイの端っこまで歩いて、今度は観客に向かってお辞儀をする。慌てずに時間をたっぷり使えって友人から言われたっけ。


ホソクと向かい合って、ランウェイを引き返そうとすると突然体が浮いた。驚いて思わず「わっ!」って声が出た。気付いた時にはホソクにお姫様抱っこされていて、予定にないことが起きてプチパニックの私。あわあわする私に満面の笑みを向けるホソク。

「A、笑って?」

「笑って欲しいなら驚かさないでよ!」

「ハハハハッ!」


ホソクの笑い声につられて私も笑えてきた。BGMの音量が大きくて助かった。ホソクの笑い声ってクソでかいからさ、観客に聞こえるところだったよ。

ホソクは私を抱えたままステージの真ん中まで歩き、そこで私を降ろす。最後に私の手の甲にキスをして私たちの出番は終わった。


無事にショーを終えたことの安堵なのか興奮なのか、はたまたホソクの王子様っぷりにあてられたのか、終わったあとの方が心臓ドキドキしてる。ポーっとしていると、サークルの人たちが集まってきて「すごい良かった!」と褒めてくれた。


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作者名:umbrella | 作成日時:2024年3月5日 18時

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