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「A、頼むな?」

「、、、分かりました。」

つい引き受けてしまった。ホソクと2人きりになるのはちょっと気まずかったけど、ユンギさんたちは私を信頼して頼んだんだと思うし、しっかり送り届けてさっと帰ればいいや。

ユンギさんとジミンに手を振って別れ、ホソクと2人で歩く。目がとろんとしてるホソク。なんとなく危なっかしいような気がして、ホソクの手を取って歩いた。

決して下心があるわけではない。
安全のため。そう、安全のため。

ホソクはなにも喋らずに大人しく着いて来る。いつもはホソクがさり気なくリードしてくれるけど、今日は私の方が年上になったみたいでちょっと優越感。スマホに出した地図を見ると、ホソクのアパートはもうすぐそこだった。

「駅から近いんだね。」

「、、、うん。」

動揺しないように、なるべく普通のトーンで話した。ホソクと気まずくなるのは嫌だ。



「着いたよ。じゃあ、また大学でね。」

アパートの前まで送って繋がれた手を離そうとすると、ぎゅっと力を入れるホソク。手はそのまま繋がれたまま。


「、、、送ってくよ。」

「え!?それじゃあ私がここまで送った意味ないじゃん。」

「でも、女の子を1人で帰らせるわけにいかないし。」

「大丈夫だよ。そんなに遅い時間じゃないし。」

酔ってても紳士なのね。ますます好きになっちゃうからやめて欲しい。「うーん」って唸りながら考え込んでいるホソク。本当はもっともっと一緒にいたいし、話したいことたくさんあるよ。


「家来て。酔いが覚めたら送ってくから。」

そう言って、今度はホソクが私の手を引いて歩く。困惑したまま引っ張られる私。

でも、嬉しいと思ってる私がいる。



ホソクの部屋は綺麗に整頓されていて、家具の色や配置もお洒落で、ホソクらしいなって思った。

「その辺適当に座って。テレビつけてもいいし。お茶しかないけど、どうぞ。」

「ありがとう。」

冷たいお茶を一口飲むと、喉に染み渡る感じがして、あぁ、私緊張してたんだ、って気付いた。

ホソクは「ごめん、ちょっとだけ寝ていい?10分経ったら起こして」って言ってリビングを出て行った。やることがない私は、スマホを触ってみたり、部屋を見渡してみたり、そわそわして落ち着かなかった。


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作者名:umbrella | 作成日時:2024年3月5日 18時

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