HS side ページ23
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スマホに送られてきた写真を見て、開いた口が塞がらない。何度見返しても信じられなくて、無駄に写真を拡大したり、遠目で見たりを繰り返す。
信じられない、、、。
昨日のバーベキューが本当に楽しくて、好きな女の子が隣で笑ってることが本当に幸せで。
キス、したんだよなぁ、、、。
キスしながら、次に会ったら絶対告白するって決めた。好きだって伝えて、彼女になって欲しいって。本当はその場で好きだって言ってしまいたかった。でもお酒が入ってる時に言いたくなくて、ちゃんと素面の時に告白しようって、先にキスしてごめんって伝えようって決めた。
2人で出かけたいなぁ、どうやって誘おうかなぁって、昨日の余韻に浸っていたところに、スマホの通知音が鳴って。何気なく開いてみると、大学の女友達からのカトクだった。
『ホソク、Aって子のこと好きなの?今日見かけたんだけど彼氏いるっぽいよ。』
添付された写真は、俺の好きな子が知らない男と歩いてる写真だった。後ろ姿だけど、確実にあの子で。背の高い男に寄り添って、腕を組んで、頭まで預けている。
嘘だ嘘だ嘘だ。
今まで思わせぶりな態度しといて、俺とは遊びだったの?あんなに頬染めてさ、可愛い顔して俺のキス受けといて、今更なかったことになんかできないよ?
カトク聞いてきた時だって、絶対テヒョン狙いだと思ってたのに真っ直ぐ俺のとこ来てさ。テヒョンやジミンには見向きもしないでさ。俺がいいって言ったじゃん。俺、すげー嬉しかったんだよ。まさか適当に選んだだけだったとか言わないよね?
それに、俺が手を振ったらいつも嬉しそうに振り返してくれたじゃん。カトクで「今日会えたね」とか送ってきてたじゃん。あれなんだったの?まさか俺だけじゃなくて誰にでもやってんの?
、、、そういえばバーベキューでユンギヒョンとすぐ仲良くなってたし、そもそもAがモテないわけないし、彼氏がいない方が不思議なのかもしれない。俺が勘違いしてただけなのかもしれない。
思考はだんだん嫌な方に流れていく。どんどんネガティブな考えしか浮かんでこなくて、結局、俺が勝手に舞い上がってただけなんだなって結論付けて、もうこんな気持ちには蓋をしてしまいたかった。
こんなだったら、好きになんかなりたくなかった。
1年生に可愛い子がいるっていう噂話にも、ずっと興味ないフリをしていれば良かった。目で追ってしまわなければ良かった。
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作者名:umbrella | 作成日時:2024年3月5日 18時