melting point【YG】

38 ページ38

･


「お店どこなの？」

YG「秘密」

「え〜」


とは言われつつも、歩く足は今にもスキップしそうな程軽い



「あ、ここって…」


ネットでよく見る人気のレストランだ

この前もテレビで特集されてたりしてなかなか予約取れないのに…


「さてはユンギさん」

YG「余計なことは言わずに大人しく中に入って」

「はーい」


言葉は冷たいけど耳が赤いから恥ずかしいんだろうな

ここは言われた通り何も言わず中に入ろっと


『いらっしゃいませ。お名前お伺いしてもよろしいでしょうか？』


タキシードの凛とした男性が笑いかけてくる


YG「ミンです」

『ミン様ですね。こちらへどうぞ』


そんなに広くはないけど綺麗でオシャレな内装


「いい匂いするね」

YG「ん、するね」


小さめの声で声をかけると、少しだけ振り返って返事をするユンギさん

慣れない雰囲気と見慣れないユンギさんの姿にドキドキしてる


「わ、美味しい…」


運ばれてくる料理はどれも美味しくて、合わせて出されたワインもどんどん飲んでしまう


注文する時ちょっと慣れてなさそうなユンギさん可愛かったなぁ


YG「あんま飲み過ぎないようにな」

「うん。ふふふ」

YG「言うの遅かったか」


メインのお肉もきて、気分は上々の私


「んー、美味しい」

YG「へぇ、焼き加減こんな感じか」

「ユンギさん？」


お肉の切れ目をまじまじと見てるユンギさん

そんなじっくり見て何を考えてるんだろ


YG「や、今度ステーキ焼く時の参考にね」

「焼いてくれるの？」

YG「この前のBBQの時ちょっと失敗したから」


真剣な顔でお肉を見てるユンギさんが可笑しくてクスクス笑ってると、なんだよ。と軽く睨まれる


YG「Aのために焼いてあげようと思ったのにな」

「え。焼いて焼いて」

YG「考えとくわ」


フッと笑ってワイングラスを傾けるユンギさんに
今度は私が睨む番


そんなこんなでコース料理をペロリと平らげ、しっかりデザートまでいただいちゃった


「はぁ、ほんと美味しかったぁ」

YG「いい食べっぷりだった」

「だって美味しかったんだもん」

YG「それは良かった」


お店を出てゆっくり2人で歩きながら話す


「ところで、どうしてユンギさんあの店知ってたの？」


ミーハーでは無さそうなユンギさんだから、あの店を知ってるとは思わなくて聞いてしまった。

39→←37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す