10話 ページ13
稜雅「仕事帰りですか?」
稜雅さんは私の服を見てそう言った。
グダグダに酔っ払ったあの日と同じスーツだ。
A「あっ、はい...そのまま飲んでて...」
稜雅「OLさんですか?」
A「そうです。去年入社したばっかですけどね...」
稜雅「ん?じゃあ今...22?いや、23か...?」
A「はい、23です。稜雅さんは?」
稜雅「僕、24です」
A「あ、一個上なんですね」
稜雅「はい。てっきり同い年かと」
A「私もそう思ってましたw」
この間みたいな、他愛もない話。
だけど、ちょっと違うことは、お互いの話をしたということ。
稜雅さんは、ティアラちゃんというチワワを飼っていて、一人っ子。神奈川県生まれで、誕生日は10月23日。などなど、
ちょっとずつ、稜雅さんの事を知ることができてる気がして、嬉しかった。
A「稜雅さん、お仕事は...何されてるんですか?」
瞬間、稜雅さんの表情が曇る。
私、なんかまずいこと聞いちゃったのかな...?
稜雅「ダンスを...........お、教えてるんです!小さなダンススクールなんですけど.....」
A「ダンスできるんですね、すごいです!」
稜雅「いやいや...」
A「そう言えば、この間行った居酒屋────」
あまり触れて欲しくなかった部分だったのだろう。
稜雅さんは目を顔を背けて話していた。
私はすぐに話題を変えて、職業の話はやめた。
時刻が9時を回ろうとしていた。
明日も仕事だから早く帰らなくちゃ...。
A「すみません、明日も仕事なので、そろそろ帰りますね」
稜雅「あ、もうこんな時間だったんですね...すみません、気づかなくて」
A「あ、いや、全然全然」
立ち上がろうとして、足に痛みが走った。
怪我したの忘れてた...
A「いっ...」
稜雅「あっ、無理しないでください...僕タクシー呼ぶので、座ってて」
A「すみません、ありがとうございます」
稜雅さんは携帯でタクシーを近くまで呼んでくれた。
稜雅「お大事にしてください」
A「ハンカチ...洗って返します」
稜雅「あげますよ」
A「えっ、でも」
次会う口実にできると思ってたから、ちょっと残念。
なんて言ってまた会う約束を作ればいいのだろう。
稜雅「Aさん?」
直球で言った方がいいのかな。
A「あの、稜雅さん.....また、会えませんか」
306人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たくちゃん(プロフ) - つづきが気になってしかたありません。更新頑張ってください。 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 5218aa7420 (このIDを非表示/違反報告)
岡山ふく(プロフ) - みーやさん» コメントありがとうございます!!嬉しいお言葉...!!これからもよろしくお願い致します! (2019年5月12日 13時) (レス) id: c49444cb8c (このIDを非表示/違反報告)
みーや(プロフ) - 毎回楽しみに読ませて頂いております!稜雅さんsideもこちらも続きが楽しみです! (2019年5月11日 21時) (レス) id: a194c9d3a4 (このIDを非表示/違反報告)
岡山ふく(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!そちらも頑張りますのでよろしくお願い致します! (2019年5月9日 19時) (レス) id: c49444cb8c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - この作品大好きです!稜雅さんsideで見れるなんて嬉しいです!更新頑張ってください! (2019年5月9日 2時) (レス) id: 68cd06e107 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:岡山ふく | 作成日時:2019年2月26日 16時