9話 ページ12
人混みを掻き分けて彼の背中を追う。
A「待って！！！！」
必死に声を上げるも、彼には届かない。
A「っ、」
人混みに流されて、足を踏まれて、捻ってしまった。
ジンジンと痛む足を引きずりながら、それでも彼の後を追った。
稜雅さんの姿は次第に見えなくなった。
でも、この人混みを抜ければ、例の公園に出る。
もしかしたら、稜雅さんがいるかもしれない。
微かな希望を持って、私は足を動かした。
・
人混みを抜け、いつものベンチに目をやる。
A「あっ...」
そこには、稜雅さんが座っていた。
A「稜雅さんっ！」
後ろから名前を呼ぶと、彼は振り向いた。
稜雅「A、さん...？」
私はベンチに近づく。
...が、さっき踏まれた足が限界を迎えそうだった。
足元がよろつくと、稜雅さんは咄嗟に私の方に来て、支えてくれた。
稜雅「っ大丈夫ですか！？」
A「すみません、足を捻ってしまって...」
稜雅「腫れてますね...座っててください」
稜雅さんは公園の水道でハンカチを濡らして腫れた足に巻いてくれた。
A「ありがとうございます...」
稜雅「いえ...」
...ほんとに稜雅さんにまた会えるなんて。
私夢でも見てるのかな。
稜雅「Aさん、」
A「は、はぃ！？」
へ、変な声でてしまった。
稜雅「っはは、緊張してます？そんなに改まんないでくださいよw」
軽く笑われてしまった...
恥ずかしい...
稜雅「で、なんでAさんがここに？」
A「あ、えっと、たまたま友達と飲んでて...それで...」
見かけたから後を追った、とか言ったら、どう思われるかな...
A「...稜雅さんを、みかけたので...」
稜雅「えっ」
A「あ、え、いや、あの...なんというか...またお話したかったので...」
後戻りできないと思って、素直に自分の気持ちを伝えた。
稜雅「っ、」
稜雅さんは両手で顔を覆ってしまった。
A「稜雅、さん...？」
稜雅さんは顔を覆ったまま言った。
稜雅「僕...実はここであなたを待つつもりでいました...。また、会えるかと思って...」
嬉しくて、今にも涙が零れそうだった。
稜雅さんも、私に会いたいと思ってくれていたってことだよね...
・
『その人で間違いないよってこと』
ひかりの言葉が、脳裏によぎった。
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たくちゃん(プロフ) - つづきが気になってしかたありません。更新頑張ってください。 (2019年7月16日 0時) (
レス) id: 5218aa7420 (このIDを非表示/違反報告)
岡山ふく(プロフ) - みーやさん» コメントありがとうございます！！嬉しいお言葉...！！これからもよろしくお願い致します！ (2019年5月12日 13時) (レス) id: c49444cb8c (このIDを非表示/違反報告)
みーや(プロフ) - 毎回楽しみに読ませて頂いております！稜雅さんsideもこちらも続きが楽しみです！ (2019年5月11日 21時) (レス) id: a194c9d3a4 (このIDを非表示/違反報告)
岡山ふく(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます！そちらも頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2019年5月9日 19時) (レス) id: c49444cb8c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - この作品大好きです！稜雅さんsideで見れるなんて嬉しいです！更新頑張ってください！ (2019年5月9日 2時) (レス) id: 68cd06e107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡山ふく | 作成日時：2019年2月26日 16時
