石ころと金剛石 ページ10
ユリウスとの会話が終わった後、Aは宿屋に戻っていた。
神妙な顔つきで魔導書のページを捲っている。
(やっぱり読めない。これはこの世界の文字を教えてくれる人が必要、だな)
魔導書を閉じると、Aは宿屋の主人のところへ向かった。
「泊めてくださりありがとうございました。とても良い宿屋でした」
「おや、もう行くのかい？」
「はい。色々と知りたい事があるので」
「そうかい。あ、じゃあ恵外界のルクティアという町には近寄らない方が良いよ。最近物騒な噂が多いんだ」
「ルクティア、ですか。ありがとうございます」
気をつけてねと手を振る主人に別れを告げ、Aは平界の下__恵外界へ向かった。
(気をつけてって言われると行きたくなるんだよね〜……。スリル求めて三千里、ってね)
それにしても、と思う。
(平界と恵外界。それと王貴界、だっけ。もしかするとこの国は身分の差別が著しい国なのかもしれないな
)
王貴界は平界に比べ服装も体型も豊かな人が暮らしていた。この読みは当たっているかもしれないとAは感じた。
「おっと」
「うわっ」
考え事をしていたからなのか、Aは前から来る人に当たってしまった。
謝罪の言葉を口にする前に、Aは襟首を掴まれ、中に持ち上げられた。
「何ぶつかってんだ？俺は魔法騎士だぞ？謝れよ」
「ごめんなさいね、考え事をしていたもので」
「それで済むと思ってんのか！」
Aは困ったように眉を顰めた。肩がぶつかったのは紫のローブを身に纏った裕福そうな男。後ろには同じローブを纏った男が2人いた。
「えぇ……。謝ったじゃ無いですか、離してください。折角ユリウスさんが見繕ってくれた服が伸びちゃいます」
「あぁん？！それ以上舐めた口きいてると……」
襟首を掴む力を強めた男は、その瞬間『灰』に包まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天霧(プロフ) - じゃがいも男爵さん» 合格おめでとうございます。気長に待ったかいがありました。これからも楽しみにしてます。更新頑張ってください！私は、1話から読み直して来ます！ (2022年6月19日 12時) (
レス) @page17 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがいも男爵 - まやさん» ありがとうございます、励みになります✨ (2022年4月26日 0時) (レス) @page16 id: 13926376c4 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - めちゃくちゃ好みの小説です…！更新待ってます！ (2022年3月2日 4時) (レス) id: 64bb885ea9 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがいも男爵 - 天霧さん» 天霧様、コメントありがとうございます✨返信が遅くなり申し訳ございませんでした💦無事合格致しましたので、これからは頻度を上げて投稿します、ありがとうございます！ (2021年12月21日 2時) (レス) id: 13926376c4 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 待ってました。受験やら何やらでお疲れ様です。更新待ってます!頑張ってください! (2021年10月11日 14時) (レス) @page15 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じゃがいも男爵 | 作成日時：2020年11月8日 2時
